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2023.11.17

「飲み水の利用制限」が続く町…発がん性物質の“発生源特定”はどうなる?【岡山・吉備中央町】

浄水場の水から、国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物、PFASが検出されたと岡山県吉備中央町が発表してから、11月17日で1カ月。依然、発生源の特定には至っていません。これまでの経緯をまとめました。

(吉備中央町 山本雅則町長)
「国の暫定目標値を超えていたことが判明したため、給水対応を取ったところ。対応が遅れたことお詫び申し上げる」

10月17日、吉備中央町が明らかにした、国の暫定目標値を超えるPFASの検出。円城浄水場では発がん性などが指摘されるこの物質が、最大で目標値の28倍の値で検出されていました。

(京都大学大学院 原田浩二准教授)
「PFASは比較的水に溶けやすい性質。(浄水場では)地下水をくみ上げて使用しているため、おそらく地下水にどこからか入り込んだと思われる」

町は、円城浄水場の水源を河平ダムから日山ダムに切り替え、浄水場で水の浄化に使う活性炭も入れ替えて水道水を提供していますが、飲み水としての利用制限は続いています。

(住民は…)
「ちょっと考えられない。まさか自分らにこんなことが降りかかってくると思わなかった」
「いつから混入しているか分からないから、知らない間に摂取しているかもしれないから心配」

岡山県は問題発覚後、円城浄水場の水源だった河平ダム周辺など22地点で水質調査を実施。12地点で目標値を超え、中でも円城浄水場に流れ込む沢の上流では、目標値の1240倍のPFASが検出されました。

さらに、この沢の近くでは使用済みの活性炭が入った袋約300個が見つかり、その活性炭からも目標値を超える値が検出されました。

(京都大学大学院 原田浩二准教授)
「残された土地の下にどれだけ残っているのかで影響は変わる。今回いくつかの沢で見つかった高濃度のPFASに関連するのかどうか、土地そのものの土壌を調べるなどして、関連性が明らかになるのでは」

県は、袋に入っている他の使用済み活性炭も調査していて、浄水場から検出されたPFASとの関連を調べています。

住民の生活が一変してから1カ月、不安解消のためにも一刻も早い原因究明が求められます。