OHK 8Ch

  • LINE友だち追加

2023.10.17

次の子供の目にヒカリを…ベトナムの6歳男児が手術翌日に描いた絵で広がる“喜びの連鎖”【岡山・玉野市】

アジアで目の不自由な子供たちを支援する岡山市の認定NPO法人「ヒカリカナタ基金」の活動が広がりを見せています。治療を受けた子供が描いた絵が玉野市の病院に飾られ、新たな支援の形が生まれています。

クリニックの待合室に飾られた1枚の絵。描いたのは、ベトナムの6歳の男の子グェン君です。グェン君は生まれつき白内障で、両目ともほとんど見えませんでしたが、赤ちゃんの時に1回目の手術を、2023年2月に目の中にレンズを埋め込む2回目の手術を受け、目はより良く見えるようになりました。

グェン君が絵を描いたのは、手術の翌日。クレヨンを見つめたあと、「ハロー」と声をかけものすごい勢いで一気に数枚の絵を描き上げました。

グェン君の2回目の手術費用を支援したのがヒカリカナタ基金です。岡山盲学校の元教頭で全盲の竹内昌彦さん(78)が立ち上げました。基金の設立から6年、これまでに6つの国で700人を超える子供たちの目に光を届けてきました。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「死ぬまでに1000人の子供の目を見えるようにしてあげたい」

グェン君がヒカリカナタ基金にプレゼントしてくれた絵を、たくさんの人に見てほしい。基金の活動に賛同した玉野市の眼科医・大野敦史さんが、病院の待合室に展示してくれることになりました。

しかも大野さんは、次の子供の治療費になればと、絵のレンタル料を支払ってくれています。

(大野眼科 大野敦史院長)
「この絵を通してグェン君の喜びや感動、自分の周りに素晴らしい色彩がいっぱいあることがこの絵1枚で伝わってくるように思った」

(絵を見た人は…)
「大きく描いている。子供らしくて素晴らしい」
「とにかく描きたくて描いたという感じ。何かを描きたいと」

この日、ヒカリカナタ基金の竹内さんが、初めて大野眼科を訪れました。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「これが絵。下に説明書きがある」

(竹内さんに説明するスタッフ)
「ベトナムのグェン君の絵、結構カラフル。きれいに飾られている」

(竹内さん)「気持ちよく“ぜひやりましょう”と第1号に」
(大野さん)「グェン君の絵がとても素晴らしかった。色彩豊かで驚いた」

グェン君の書いた絵は、愛知県の企業でもレンタルアートとして飾られています。

(ヒカリカナタ基金 竹内昌彦理事長)
「目を治してもらった子供が自分のすることで次の子供の目が治る。喜びの連鎖を作ろうしているのはいいアイデア、みんなが喜ぶ」

広がる喜びの連鎖。それぞれの思いが新たなヒカリの道をつなげています。