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2023.09.08

「夏イチゴ」を香川の新しい名産に! セトラスホールディングス・木下幸治社長【中塚美緒のライブトーク】

今旬な人に直接会って話を伺う「中塚美緒のライブトーク」。今回のゲストは高松市を拠点に医薬品などを製造するセトラスホールディングスの木下幸治社長です。

今、力を入れて取り組んでいるのが、夏に食べられるイチゴの開発。異業種への挑戦を続ける注目企業の社長に話を伺いました。

(中塚美緒アナウンサー)
「こちらが社長の席?社長室はないんですね」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「はい、社員の皆さんといろいろ話をしやすい環境の方がいいかなと。ここだけでなくフリースペースでも働くようにしている」

高松市に本社を置くセトラスホールディングスは、グループ企業8社の管理・研究部門を担う持ち株会社で、その歴史は1947年、協和化学工業として始まりました。長年、便秘薬などの医薬品や工業用の化学品を製造してきましたが、そのもととなるのが…

(中塚美緒アナウンサー)
「これは何でしょう?」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「これは、ここからスタートしたという商品で、酸化マグネシウム日本薬局方で、胃薬、下剤に使われるもの。マグネシウム分は瀬戸内海のきれいな海水からとっているので、体にも優しい、地球環境にも優しい」

(中塚美緒アナウンサー)
「医薬品のほかに、部品などにも使われている?」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「プラスチックの添加剤。かなりラフ(おおまか)に言うと、劣化を防ぐためのもの。例えば樹脂というのは太陽の光に当たると紫外線によって劣化して、ボロボロになるがそれを防ぐためにそういう用途に主に使われている」

(中塚美緒アナウンサー)
「それを協和化学工業が作っていたのは世界でも珍しかった?」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「世界で初めてそういう商品を開発し展開してきた」

京都府出身の木下社長は、大学卒業後、三井物産に勤めていました。商社マンとして世界を飛び回る中、16年間協和化学工業を担当し、世界の企業に商品を売り込んでいました。

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「当時の協和化学で作っている製品の素晴らしさ、世界に受け入れられている事、新しいものを追求するそういう会社だった」

(中塚美緒アナウンサー)
「瀬戸内海にご縁は?」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「全くなかった。当時協和化学と付き合い始めて、初めて四国に来た。さぬきうどんも知らなかった」

商社マン時代からの縁で、木下社長は2012年に協和化学工業へ転職。営業部長などを経て、2021年社長に就任し、22年セトラスホールディングスを立ち上げ組織改革を推進してきました。工業用品と医薬品の2本柱に加え、第3の柱にしようとアグリバイオ事業への挑戦を始めています。

(中塚美緒アナウンサー)
「バイオというと微生物などが思い浮かぶが、これを使ってどのような農業を展開している?」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「我々がやっているバイオはエンドファイトという商品で、土の中には何十万という微生物がいるそう。その中から植物に有用な微生物を探し出して培養して夏に食べられるイチゴの新品種を開発している。その夏イチゴにエンドファイトを確かめたところ、糖度が2、収穫量が2割上がったという結果が出ている」

(中塚美緒アナウンサー)
「すごい、微生物の力すごいですね」

イチゴの一般販売はまだ始まっていませんが、2023年7月に高松市で実施されたG7都市大臣会合の歓迎会でも振る舞われました。今後、香川の新しい名産になることが期待されます。

◆人生の転機

(中塚美緒アナウンサー)
「写真を1枚ご用意いただきました。こちらは…?」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「大学時代のアメリカンフットボール部の時の写真。いろいろなことを教えてもらったが、その中で心に残っていることが、世の中の中に『不可能という事を考えるな』ということ。やり方を考えればできないことはないだろうと」

(中塚美緒アナウンサー)
「新たな事業を探し求めるのは、その精神がいきている?」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「はい。農業関係の事業は非常にハードルも高い分野ではあると思うが、科学の力を使ってそういう分野で展開できないかというチャレンジで、不可能な事はないという精神でいくと、その壁を打ち破っていけるということだと思って今でも続けている、チャレンジを」

◆人柄に迫る

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「好きなスポーツ。これはアメリカンフットボールと言いたいところだが、実をいうと香川県に来て始めたスポーツがあって、マリンスポーツのヨットを始めた。瀬戸内海の美しい海、気候の中でするには最適なスポーツだと思う」

(中塚美緒アナウンサー)
「瀬戸内海にいけばヨットに乗っている姿が見られますね」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「かもしれない(笑)」

(中塚美緒アナウンサー)
「ではもう一枚…」

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「目指すリーダー像。できるだけ私はフラットな組織を目指している。リーダーも社員の一人であると。チームの1メンバー、たまたま社長という仕事はしているが、工場で、営業部、研究所で働いている人と同じですよということで、なんでも言い合えるフラットな組織の中のリーダーという形を目指したい」

約1000人のグループ社員と1つのチームで仕事に取り組む木下社長。目指している企業の在り方は「セトラス」という社名に込められています。

(セトラスホールディングス 木下幸治社長)
「ギリシャ神話の地球を支える神様がアトラスというそのアトラスからとった。瀬戸内海から地球を支えられるような、全世界の社会に貢献できるような会社にしていきたい」