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2023.06.23

豪雨の後に真備へ移転 復興をともに歩んだ菓子店が“新たなスタート” 店主の思い【岡山・倉敷市】

西日本豪雨から7月で5年。復興の力になりたいと、豪雨の後に奈良県から倉敷真備町に移転してきた、焼き菓子の専門店があります。店主の思いを聞きました。

(ここまーる 保坂光秋さん)
「小さいお子さんから年配の方まで食べていただけるような優しい味で安心して食べていただけるものを目指して作らせていただいています」

午前9時頃、甘い香りとともに焼きあがる店自慢のスコーン。保坂光秋さん(44)が1人で営業しています。倉敷市真備町箭田の福祉施設、ライフタウンまびの1階に店を構える「ここまーる」。15種類のスコーンのほか、ドリンクを販売し、店にはカフェスペースを設けています。スコーンは多い時は1日に200から300個売れると言います。

(訪れた人は…)
「ちょっとしたときに家でホッとできるお菓子があるのはすごくうれしい。みんな勇気づけられるというか元気もらったんじゃないかなと思いますね」
「奈良から来てくださったということで、こちらとしてはありがたい。地域の人たちにも良い場所になっているんじゃないかと思います」

2018年7月の西日本豪雨。真備町は町の約3割が茶色く濁った水に浸かりました。保坂さんはもともと奈良県に店を構えていましたが、被災地の復興のために何かできればと、2020年8月から店を真備町に移し、営業を続けてきました。

(ここまーる 保坂光秋さん)
「顔も合わせたことがない人たちなのに、皆さん挨拶とかしてくださって、大変な思いをしたからこそ人のつながりがあるんだなと。数年経ってだんだん忘れてしまってくる状況の中で、倉敷市だったり、岡山市だったり、県外の方が来られて、一度またここに足を寄せていただくことで、何か感じることだったり、また生まれるものがあればと思って」

豪雨から5年、自分が店を始めて10年。節目となる2023年、保坂さんは8月20日で真備町での営業を終了し、自分の夢でもあった地元・山梨県で新しい店をオープンさせることを決めました。

(ここまーる 保坂光秋さん)
「この町で学んだり経験した人のつながり、優しさが一番大事で、つながりを持って大変な時こそやっていけると感じています。これからも頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願い致します」