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2022.10.18

「高松盆栽」に熱視線 “記録的な円安”も追い風に…EU本格的輸出スタートへ【香川】

10月18日の外国為替市場の円相場は一時、1ドル149円台をつけ、32年ぶりの円安水準を更新しました。生産量日本一を誇る高松市の松盆栽の産地では円安である異変が起きているといいます。盆栽の里を取材しました。

(高松盆栽輸出振興会 尾路悟会長)
「(夏の暑さで)五葉松が傷むかと思ったが、そんなに傷む商品はなかった。全然、影響はなかった」

松盆栽の産地、高松市の鬼無地区と国分寺地区。全国シェアは約8割を誇っています。

(河野有紀記者)
「そんな高松盆栽に、今、海外バイヤーたちが注目しています。その理由がこちら。『黒松盆栽』のEUへの輸出が本格的にスタートするからです」

松盆栽のEUへの輸出は、これまで「五葉松」や「真柏」が主流で、「黒松」は植物防疫上の観点から輸出できませんでした。しかし、2020年10月、県などの働きかけでついにEUへの輸出が解禁。2年間の栽培管理を経て、2023年1月から本格的に輸出が始まります。

(高松盆栽輸出振興会 尾路悟会長)
「バイヤーさんは期待している。黒松が手に入ることに関して。非常に喜びを持っているようなコメントを皆さんしている」

2022年、尾路さんの園にはEUから7社のバイヤーが訪れ、コロナ禍前の2019年の3社から倍増しました。

そんな中、海外販売の追い風となっているのが記録的な円安です。輸出量は2021年と比べて1.5倍ほど増えているといいます。

(高松盆栽輸出振興会 尾路悟会長)
「施設を守るのも、まちを守るのも、盆栽で食べていけるという方向性を作ることが大切。この輸出の方向で食べていけるとなれば、まちにとっても、施設にとっても良いこと」

JA香川県などは10月22日からの2日間、盆栽を展示・販売するイベントを行い国内の販路拡大にも取り組んでいます。輸出にも力を入れる高松の盆栽。記録的な円安は今後の海外展開にも影響を与えそうです。