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2022.07.26

“森の中”で巨大マグロ養殖 前進する夢プロジェクト【岡山・岡山市】

森の中での大型マグロ養殖。そんな夢のプロジェクトが再スタートです。岡山市の岡山理科大学の研究施設に先週末、マグロの稚魚が届きました。今回、目指すのは完全養殖。誰も成し遂げたことのない挑戦です。

7月23日、和歌山県から約6時間半の長旅を終え到着したトラック。積まれた水槽を慎重にのぞき込むと、泳いでいたのはクロマグロの稚魚です。「近大マグロ」で有名な近畿大学の養殖施設から体長7センチほどの100匹を購入しました。

(岡山理科大学工学部 山本俊政准教授)
「まあ半分はいるね。小さいやつは弱いと知っているが 結構(輸送に)苦しむ」

環境の変化やストレスに弱いクロマグロ。輸送中に水槽の中で衝突するなどして多くは死んでしまいましたが、41匹が養殖用の水槽へと放されました。

(岡山理科大学工学部 山本俊政准教授)
「生き残ったやつは調子が良いね」

岡山理科大学がマグロの陸上養殖を始めたのは2010年。山本俊政准教授が真水にカリウムなどを加えて開発した「好適環境水」を使って、海の無い場所での大型マグロの養殖を目指しています。これまでは愛媛県の漁協から購入した体長20センチほどの天然もので挑戦してきましたが、今回、近大産に着目したのは訳がありました。

(岡山理科大学工学部 山本俊政准教授)
「完全養殖の個体なので これからの時代はこうでないとだめ」

クロマグロは乱獲で数が激減し、国際的に資源の回復が図られています。採卵からのサイクルを確立している完全養殖の近大産ならそれに影響せず研究に取り組めるのです。

(岡山理科大学工学部 山本俊政准教授)
「完全養殖の生後35日7センチの小さな個体で、試験するというのはハードルが高い。初めての経験なのでこれからどうなるか分からないが、頑張って (過去最大の)35キロ以上を目指す」

試行錯誤を続けながら前進する夢のプロジェクト。目標の35キロまでには約2年半ほどかかるといいます。果たして、どんな結末が待っているのでしょうか。