OHK 8Ch

  • LINE友だち追加

2023.02.13

家族と会いたい…「対面での面会」再開か制限か 高齢者施設のジレンマとは【岡山・香川】

新型コロナについて制限の緩和が進む中、国は、高齢者介護施設での対面での面会について再開するよう促しています。入居者の認知機能の低下防止などが理由ですが、実際の現場は、そう簡単にはいかないのが現状のようです。

(オンライン面会の様子)
「この間贈ったポロシャツ」
「ありがとう。さっそく着ている。温かい」

パソコンの画面上で、家族と面会しているのは、橋本具夫さん、93歳。岡山市北区の高齢者介護施設に入居しています。この施設には介護の必要性が高いと認定された高齢者、約40人が暮らしています。入居する高齢者にとって心の支えになっているのが、家族らとの面会です。しかし、コロナ禍でこの施設では約3年前から看取りなどの緊急時を除いて対面での面会を制限しています。

(介護付有料老人ホーム 愛ファミリー天瀬 平谷のり子施設長)
「面会を制限させてもらった案内。制限しなければならないという点では、本当に心苦しい思いをしている」

橋本さんももう長い間、直接、家族とは会えていません。

(橋本具夫さん)
「直接面と向かって生で見ない。映像で見るだけ。(直接会いたいという気持ちは)互いにある」

こうした状況の中、厚生労働省は2月、対面での面会の再開を促す動画を公開しました。面会の制限が長引くことにより高齢者の認知機能の低下や気分の落ち込みが懸念されることが理由ですが、最前線の現場は、そう簡単ではないといいます。

(愛ファミリー天瀬 平谷のり子施設長)
「直接面会をしていきたいという思いはとても強いが、一歩感染が拡大してしまうと、危険にさらしてしまうと考えると、今の状況のまま様子を見ようと思う」

高齢者や家族にとって、直接会うことが最も良いこととはわかっているものの、一旦、クラスターが発生するとリスクが高い入居者が多いことや従業員が感染すると施設が回らないという状況もあり踏み切れないのが実情です。

(愛ファミリー天瀬 平谷のり子施設長)
「感染状況と一人一人の入居者の状況に合わせて臨機応変に対応していけたら」

5類への引き下げやマスク着用の新しい方針など次々と制限の緩和が進む中、高齢者介護施設では、ジレンマと向き合う日々が続いています。