OHK 8Ch

  • LINE友だち追加
【詳報】「実際の病床使用率は100%超え」 ひっ迫するコロナ医療の現実を医師が語る【岡山・津山市】
岡山放送

2023.01.12

【詳報】「実際の病床使用率は100%超え」 ひっ迫するコロナ医療の現実を医師が語る【岡山・津山市】

新型コロナウイルスの感染者急増でひっ迫する医療現場の状況は?津山中央病院(津山市)感染症内科の藤田浩二部長に聞きました。

Q、年末年始は休みなし?
「休みなしで、ずっと病院の中にいた」

Q、1月12日、県が感染状況のレベルを3に引き上げた。現場の状況は?
「現場の感覚では、患者数が増えて大変だったお盆の頃を上回る爆発具合。通常医療を圧迫している。コロナ診療は切羽詰まってベッドも足りない状況で、それと連動するように、一般の救急が回らなくなってきている。(一例を挙げると)オペができなくなる。予定していたオペを止めなきゃいけない。スタッフも離脱するので、通常医療にマンパワーを投資できず、縮小せざるを得ないということが日常的に起きている。(現場の疲弊は)なかなかしんどい。当然スタッフも感染したり、濃厚接触になって離脱するので、ただでさえギリギリの人数で回している部署はさらに人が少なくなる。余計に残っている人の仕事量が増える」

Q、津山中央病院のコロナ病床(22床)の運用状況は?
「重症4床、中等症までが18床。年明けは18床の中等症ベッドに対して36人ぐらい入院していて200%の運用状況になっていた。一般の病棟の端っことか、あちこちでコロナ部屋を何とか作りながら回している状況だった」

Q、軽症とフォーカスされがちなオミクロン株、増えている死者は?
「ご高齢の方。あるいは免疫がすごく弱い方。抗がん剤の治療をしている方、免疫抑制剤を使っている方は、重症化リスクが高い。全ての新型コロナの株に共通して言えるが、オミクロンも同じ。若い人には、ちょっとしんどい風邪ぐらいで済んでいるのは事実だと思う」
「あとは絶対数の問題。致死率としては下がっているかもしれないが、爆発的に患者数が増えてしまうと、パーセントは一緒でも掛け算すると絶対数が増えてしまう。比率は変わらなくても絶対数が増えたせいで、ベッドを求めて押し寄せている感じになってると思う」

Q、最初は軽症で来る方が多い?
「すべての患者さんに共通して言えることは、全員軽症から始まる。喉がちょっと痛い、ちょっと熱が出る、鼻水が出る、くしゃみが出る、そういったところから全員始まる。ただその後、どんどんこじれていくのか、ただの風邪レベルで終わるのか、そこが明暗を分ける。ただの風邪にしか見えない症状の時に早く見つけて治してあげるのが、リスクの高い人にとっては一番大事。いざ入院が必要な病態まで行ってから見つけると、探してもベッドがない。とにかく早く見つけて、早く治すことが大事。(早めに処置すれば?)封じ込めるチャンスがある。飲み薬なり、点滴で治療するなり、色んなやり方はある。そのチャンスを逃し、酸素が必要な状況になっていると、病気の勢いを止められないこともある。初期治療が一番大事」

Q、第8波のピークはもう来ている?
「大晦日から三が日あたりに最初のピークが来るだろうと見ていて、実際にそんな感じだった。今流行ってるBA.5だけで言えば、年末年始にピークが来て、ここからちょっと横ばいか下がっていくんじゃないかと推測している。ただ厄介なのは、新しい株がまた海外から入ってきて、日本で徐々に増えてきている。新しい株が混ざってくると一回かかった人がまた新しい株に感染して発症するので、波の高さが変わらない、もしくは高くなってしまう。(オミクロン株派生型の)XBBやBQ.1と言われる新しいタイプの株が入ってくると、BA.5に直前に罹患していても、立て続けに2,3回感染する可能性が出てくる。そうすると、収まろうにも収まらない状況が続く可能性を今残していると思う」

Q、規制緩和の流れがあるが
「入院が必要になりそうな人、リスクの高い人にいかに移さないようにするかを、全員が考える必要がある。ただの風邪のように見える人が大半で、その人たちの動きを経済的に止めるのは、バランスが悪い時期。一律に動くな、という話ではない。重症化リスクを複数背負っている人が罹患することで入院せざるを得ない状況に追い込まれているのが、パンデミック期の一連の出来事。大きな休みがあると(感染者が増え)、その人たちが入れるベッドが無くなる。リスクの高い人が入院しないように、早く見つけてあげることも大事だし、その人たちが罹患しないように、みんなが気を付けてあげることが経済活動の大前提」

Q、この状況が続いていくと、医療現場は?
「一人亡くなる方がいたとして、その下に、亡くならなかったけど、重症化した人はいる。さらにその下には、重症化まではいかないけど、入院が必要な状態に陥った人もたくさんいる。入院できる場所を求めて、大量の患者さんが発生している状況を何とか早く回避したいのが僕らの想い。県が発表しているベッドの使用状況は70%、80%と出ているが、実際は120%を超えている。うちの病院でも年始の中等症病床は200%だった。届け出ているコロナ病床をどれぐらい使っているかという意味ではそうなるが、実際には、交通事故や、全く関係ない病気で入った人が入院後に陽性とわかることがある。脳梗塞の治療をしなきゃいけないけど、入院時にPCR陽性になってコロナが分かりました。だけどコロナ病床はもう空いてないから一般床で見てます、とか。はみ出たところで管理している人たちが実はめちゃくちゃたくさんいて。それを含めると、病院が用意していたキャパに対して100%を超えている状況がずっと続いている。そこは見えてないところだと思う。コロナ患者さんがはみ出て一般床に入ると、別の病気で入院するはずの人のベッドが減り、一般床が縮小する。そこが問題。ほかの病気で、中央病院に入れてください、と言ってもベッドがありませんということが発生するので、なかなか厳しい運用が続いている」

Q、今後は?
「変異株の割合次第。変異株が12月中旬に5%ぐらい岡山に入っていて、東京が2割くらい。あれから一ヶ月経っているので、もっと割合は増えているはず。そうするとオミクロンと言っても微妙に違うタイプになってくるので、一人が何回かかかっちゃう可能性が出てくる。一回かかって免疫ができたと思ってても、新しいのにかかっちゃった、となると、波が静まらない。ここが厄介」