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2022.06.10

レシピ開発や空間コーディネートで食卓を豊かに…食のプロ・フードコーディネーター【岡山】

レシピ開発や空間コーディネートなどを通じて、私たちの食卓を豊かにする仕事、フードコーディネーター。エリアの輝く女性を紹介する特集、フードコーディネーターとして活躍する岡山市の女性です。

今が旬のソラマメをふんだんに使ったパスタ。熟成させた豚肉と彩り野菜のオーブン焼きです。
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食のデザインをテーマに、ホテルやスーパーなどのレシピ開発や、空間のコーディネートを提案し、食を人々の暮らしの豊かさにつなげる仕事、それがフードコーディネーターです。

岡山市北区のスーパーを訪れたこちらの女性、料理家の赤松陽子さん(46)。
フードコーディネーター032005年から岡山を拠点にフードコーディネーターとして活動しています。
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「すごく明るくなりましたね。前は黒っぽかった」
「そうですね。柔らかい、温かい感じになった」
「おかやま味のイメージが伝わるといいかな」

現在手掛けているのが、2021年の秋から始まった岡山県内に14店舗を構える両備ストアとのプロジェクト。惣菜コーナーのリニューアルが今回の目玉です。
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(赤松陽子さん)
「毎日買う総菜は、素朴なものや手作りの味が食べたいと思うだろうから、そこを伝えていきたい」

約100種類ある惣菜の多くは自家製で、自社工場で作られています。そこに地元スーパーの強みと魅力を感じた赤松さん。「手作りの温かみ」を味だけでなく、新商品販売の空間づくりなども含めた全体のコンセプトに決めました。
 
(赤松陽子さん)
「素朴なものほど手作りの味がすごく出る。例えば自家製総菜うの花、何てことない地味なもの。だけど実際家で作ると、おからを炊くのは大変」
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「地味だけど、手作りでおいしいものを伝えていくことを、これから商品名を変えたり、ポップを作ったり、パッケージを工夫したりして変えていけたら」

2022年2月に完成した赤松さんの自宅兼仕事場です。築130年の古民家を約1年がかりでリノベーションしました。
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(Q.どうして古民家を再生?)
(赤松陽子さん)
「日本の技術や文化が詰まった日本家屋の多くが朽ち果てていて、それってもったいないし、残念だなと思って。古いものを生かして、新しい形で再生できないかなと」
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この思いはフードコーディネーターとしても大切にしています。

「かんぱーい!」家族で食卓を囲む時間は至福のひとときです。

鳥取県米子市出身の赤松さん。約25年前、大手ハウスメーカー勤務時代の配属先として岡山を訪れました。
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(赤松陽子さん)
「家をつくる仕事をたくさんやって、10年弱勤めたが、中身をつくりたいなと思って。建築もできるし、食べ物が好きで、人のつながりも好きだから、向いているかもと思ったのがきっかけ」
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会社を辞め一念発起、フードコーディネーターの道へ進みました。
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その後、結婚し、42歳で息子の薫くんを出産。
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ただ、生後すぐに薫君に心臓の疾患が見つかり、息子と病院に通いながら仕事をこなす日々に。しかし、そんな日々の経験が今の赤松さんを支えています。
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(赤松陽子さん)
「子供がいない時より、今の方がたくさん気がつくことがあるし、知らなかったことを たくさん経験させてもらっているので、食べることが生きることにつながるし、食べることが楽しいと人生がエンジョイできる」

この日は、両備ストアで8月に開催予定のレシピコンテストの打合せ。岡山県在住で料理を愛する人を対象に、自慢の味を募集し、選ばれたレシピを商品化、実際にスーパーの店頭に並べようという企画です。
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(赤松陽子さん)
「家庭の味を出していく。いったんそこでみんなのレシピを集めて、変えていければ。そこから次のステップで商品化。それはプロの私たちが考える」
(Q.写真とざっくりレシピで?)
(赤松陽子さん)
「ざっくりで。皮むく・切る・煮る・蒸す。混ぜて味付けくらい」
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(両備グループ経営戦略本部 飯田順子さん)
「プロの視点が入ることで、私たちのふわっとしたアイデアを明確な言葉で導いてくれるので、とても心強いし、安心感があって一緒に仕事ができてとても楽しい」
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フードコーディネーターの道を歩み始めて18年、赤松さんの活動は、岡山の食卓を陰ながら支え続けています。

(赤松陽子さん)
「岡山は海も山もあって、本当に気候に恵まれていて、食材も含めて、すごくポテンシャルの高い地域だと思う。外の人たちが見つけてくれるけど、住んでいる人が気づいていない方が多いので、住んでいる人に気づいてもらえるようなことができたら」
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