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新型コロナ対策 必要なのは「きめ細かい感染情報」関西福祉大学・勝田吉彰教授(2)【岡山・香川】

2022.05.11

新型コロナ対策 必要なのは「きめ細かい感染情報」関西福祉大学・勝田吉彰教授(2)【岡山・香川】

海外で進む「脱マスク」。多くの人がマスクをせず街を闊歩する姿がニュースなどを通じて伝えられています。実際はどうなのでしょうか?関西福祉大学の勝田吉彰教授によると・・・


【ニュース映像だけがすべてではない】

Q、海外はすでにマスクをせず、自粛していないイメージもありますが?
「今、海外の状況は様々。アメリカで4月に『乗り物の中でマスクを強制的にしなければいけないのは違法ではないか』という訴えがあり、裁判所は『もっとも』という判決を出した(フロリダ州連邦地裁が「公共交通機関でのマスク着用義務」を無効と判断)。しかし自粛が取れて皆がワーッと(マスクを外した)わけではない。アメリカCDC疾病予防管理センターは『やはりマスクは推奨すべき』と言っている。光景は国によって、年代によって様々。日本のテレビで切り取られた場面だけが全てではない」

Q、日本では?
「日本特有の難しさがある。日本人からマスクを取ろうと思ったら“罰金付きマスク禁止令”くらいしないと」

・・・海外では個々人が『マスクをする、しない』の判断をしますが、日本では皆に合わせないといといけないという、いわゆる「同調圧力」が働くのでは、と感じている勝田教授。例えばこんなこともあります。

【日本では10年以上前からマスクに市民権があった】

Q、今後マスク着用の判断は?
「1つのメンタルの問題で、マスクをする事で、他人の目から、鎧のように作用して社会生活ができる人がいる。2011年に『[だてマスク]依存症』という本が出ている。すなわちマスクがあることによって社会生活ができる人は10年以上前から市民権があった。そうした人が今、コロナの状況で安心して外に出られる。この状況に対して、一律に『マスクをしているのがおかしい』という風潮が出てくると困った事。やはり個人の判断が尊重されることをしっかり残していかないと、日本の一方方向に流れてしまうという文化の中では危惧する」

【コロナ情報は“花粉情報”のようになる】

Q、日本のコロナ対策の行くべき道は?
「一つのヒントは花粉飛散状況。人々はあの花粉飛散情報を見て、自分のアレルギー体質が強いか弱いか無いか、それとかけあわせて今日マスクをするかしないか決める。それと同じで、今後コロナの感染拡大状況、“今よりずっときめ細かい情報発信”が必要になると思う。その情報発信を見ながら、自分の年齢、基礎疾患など、自分側の要因とかけあわせて、きょうマスクをするかしないか判断する。それが今後行くべき道で、実は海外においても事実上そうなっている」

Q、きめ細かい情報とは例えば?
「テレビを見ても、全国放送は『東京の1週間の数』『大阪の1週間の数』、ローカル放送では『岡山市の数』などが出るだけ。でも実際にはそれ以上に、岡山市、倉敷市、郡部も含めて身近な状況がわかる。そして外出するときには外出先の情報がわかる。そうした今より小さな区分で区分けした数字が必要だと思う。重症者の数、高齢者のクラスターがどこであったなど。施設の名前はいらないかもしれないが、市町村のレベルがわかるといいと思う」

【健康診断で”コロナ注意”があってもいい】

Q、今後日本人がとる行動は?
「成熟した社会はTPOにあわせる。例えば花粉飛散情報を見て、“環境の要因(=花粉の量)”と“個体側の要因(=アレルギーのあるなし)”とかけあわせて判断するのがTPOといえばTPO。コロナについてもまずは環境、今いる所がどうなのか、詳しい情報を出さないと。情報の出し方だけでなく、例えば健康診断の結果についても『あなたはコロナ注意のレベルです』とか。おそらく今は『あなたは血糖値が高いから病院に行って』としか書かれていないが、『コロナ注意』という所まで発信するとか、もうちょっと改良してもいい」

Q、各自が判断する時代?
「今花粉で普通にやっていることですし、インフルエンザのシーズンになると普通にやっている事。日本人はこれまで自然にマスクに親しんできた。その延長線上で情報提供の仕方も改良することで自然に入っていけるのではと考えている」


・・・春先に多くの日本人を悩ませる“花粉症”と同じような対策も、これからコロナと向き合うために必要なのかもしれません。そしてコロナ対策の中でも最も大きいといえる「ワクチン」の在り方は、今後どうなるのでしょうか・・・
(「コロナは非常に損な病気」ワクチン接種が本当に必要な人は?関西福祉大学・勝田吉彰教授(3)に続く)
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