2021.08.17
命を守る最後の砦 “最前線”救命救急センターで奮闘 コロナ禍の新人看護師【岡山・津山市】
新型コロナの感染が拡大する中、医療の現場を支えているのが看護師です。
岡山県津山市の病院では、その最前線の救命救急センターで、2021年から働き始めた新人看護師が奮闘しています。
(処置の様子)
「上向きますよ」「体ふきしますよ」
意識があっても無くても声を掛ける。患者と接する際、大切にしていることです。
重い呼吸不全の70代の男性を介助しているのは、加納佑美さん。この春、看護学校を卒業したばかりの新人です。
(加納佑美さん)
「実習では、患者に直接触れて処置することは無かったので、学生と現場は全然違います」 津山市の津山中央病院。30の診療科、515のベッドを持つ岡山県北の拠点病院で、外来患者は年間約20万人に上ります。 中でも県北で唯一の救命救急センターは、看護師など40人が所属し、24時間体制で重症患者に対応する、いわば命を守る最後の砦です。
(時計 7時55分)
(加納佑美さん)
「きょうは2番か3番の方の担当ですね」 ほぼすべての診療科の患者を横断的に受け入れる救命救急センターは、患者の入れ替わりが多く、看護師の担当患者も日々、変わります。
教育を担当する先輩はいますが、新型コロナへの対応で、多くの看護師が必要となっている今、いつも手取り足取り、とはいかないのが現実。1人で患者の処置にあたることも増えてきました。
(処置の様子)
「お口に管入れますね」
(看護師長)
「患者さん、家族の立場になってケアしようとしていることが垣間見られる」 昼休み、加納さんの姿が稼働していない病棟の一角にありました。 昼食の時間かと思いきや、傍らには先ほどのメモ。
(加納佑美さん)
「食事にしますけど、午前中にやったことを整理して、次の準夜帯の人にどう送ろうかということを昼休憩に考えています」 (加納佑美さん)
「でもあれですよね。楽な仕事ってないですよね。いろんな仕事やってきたんですけど。いろんな経験する中で、1周回って看護だなって思ってきたので」
実は、現在30歳の加納さんは、看護師になる前は関東で飲食店のアルバイトをしたり、化粧品会社の社員として働いたりしていました。転機が訪れたのは24歳の時でした。
(加納佑美さん)
「美容の仕事に就いても、白斑があって『どうやったら隠れますか?』みたいな方の接客がすごく多くて。疾患と闘っている人のそばで力になりたい。それは母のことがあったのもあるんでしょうね」 津山市の郊外にある公園。小学6年の夏、最後に母親と遊んだ思い出の場所です。(加納佑美さん)
「この辺で母とバドミントンをして…つらかったと思うんですけど」
この前の年、母親に乳がんが見つかりました。すでにステージ4で、脳などに転移していました。
母が亡くなるまでの約2年半、やり場のないつらさの中で芽生えたのが、患者を支える看護師への思いでした。別の仕事に就いてもそれは消えることなく、27歳の時、看護学校への入学を決めました。
(加納佑美さん)
「やりたいこと。全く後悔はない」 ■2021年津山中央病院の新人看護師は45人 ■切磋琢磨し経験積む日々 加納さんは、将来、高い水準の知識と技術を持ち合わせる「認定看護師」の資格取得を目指しています。
(加納佑美さん)
「人生をサポートできる看護師。責任をもってやり切れる看護師に」 遠回りしたからこそ出会えた今の自分。加納さんのような看護師の活躍が、救急医療の最前線を支えています。
岡山県津山市の病院では、その最前線の救命救急センターで、2021年から働き始めた新人看護師が奮闘しています。
(処置の様子)
「上向きますよ」「体ふきしますよ」
意識があっても無くても声を掛ける。患者と接する際、大切にしていることです。
「実習では、患者に直接触れて処置することは無かったので、学生と現場は全然違います」 津山市の津山中央病院。30の診療科、515のベッドを持つ岡山県北の拠点病院で、外来患者は年間約20万人に上ります。 中でも県北で唯一の救命救急センターは、看護師など40人が所属し、24時間体制で重症患者に対応する、いわば命を守る最後の砦です。
(時計 7時55分)
(加納佑美さん)
「きょうは2番か3番の方の担当ですね」 ほぼすべての診療科の患者を横断的に受け入れる救命救急センターは、患者の入れ替わりが多く、看護師の担当患者も日々、変わります。
新人の加納さんは、毎日始業より30分早く出勤し、前任の看護師の記録を細かく確認します。
(加納佑美さん)
「既往歴やどんな経緯で入院されたか。片っ端からメモしますね。患者さんの全体像が分からないと」
(加納佑美さん)
「既往歴やどんな経緯で入院されたか。片っ端からメモしますね。患者さんの全体像が分からないと」
「お口に管入れますね」
(看護師長)
「患者さん、家族の立場になってケアしようとしていることが垣間見られる」 昼休み、加納さんの姿が稼働していない病棟の一角にありました。 昼食の時間かと思いきや、傍らには先ほどのメモ。
(加納佑美さん)
「食事にしますけど、午前中にやったことを整理して、次の準夜帯の人にどう送ろうかということを昼休憩に考えています」 (加納佑美さん)
「でもあれですよね。楽な仕事ってないですよね。いろんな仕事やってきたんですけど。いろんな経験する中で、1周回って看護だなって思ってきたので」
実は、現在30歳の加納さんは、看護師になる前は関東で飲食店のアルバイトをしたり、化粧品会社の社員として働いたりしていました。転機が訪れたのは24歳の時でした。
(加納佑美さん)
「美容の仕事に就いても、白斑があって『どうやったら隠れますか?』みたいな方の接客がすごく多くて。疾患と闘っている人のそばで力になりたい。それは母のことがあったのもあるんでしょうね」 津山市の郊外にある公園。小学6年の夏、最後に母親と遊んだ思い出の場所です。(加納佑美さん)
「この辺で母とバドミントンをして…つらかったと思うんですけど」
「やりたいこと。全く後悔はない」 ■2021年津山中央病院の新人看護師は45人 ■切磋琢磨し経験積む日々 加納さんは、将来、高い水準の知識と技術を持ち合わせる「認定看護師」の資格取得を目指しています。
(加納佑美さん)
「人生をサポートできる看護師。責任をもってやり切れる看護師に」 遠回りしたからこそ出会えた今の自分。加納さんのような看護師の活躍が、救急医療の最前線を支えています。