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岡山放送

2025.06.03

体は衰えつつも「私は舞台が命、人生は芸術なり」劇団の99歳看板俳優の舞台への情熱は衰え知らず【岡山】

老いや認知症をテーマに演劇をする岡山の劇団の99歳の看板俳優の男性が6月、岡山市で舞台に立つため、稽古を続けています。衰えることのない演劇への情熱。その役者魂に迫ります。

「ありがとう、お前はやっぱり美しい」
「もっと佐代子の歌を聞きたいとというの熱く言ってください」
「お父さんは佐代子の歌が聞きたいんよ」

老いや認知症をテーマに演劇をする岡山の劇団「OiBokkeShi」の看板俳優、岡田忠雄さん。6月14日から始まる公演に向けて稽古に熱が入ります。

劇団の仲間やファンの人たちは岡田さんを「おかじい」と呼びます。5月、99歳になりました。

(岡田忠雄さん)
「頑張りましょう」

(劇団「OiBokkeShi」主宰 菅原直樹さん)
「何の役か知らないけど、岡田さんの演劇にかける情熱は会うたびに感じられて、いろいろ病気したり環境変わったりしているが、舞台を目標にしているのはすごく感じた」

劇団の主宰で、脚本と監督を務める菅原直樹さんです。劇団の立ち上げから11年、岡田さんとともに数々の演劇を世に送り出してきました。

岡田さんはホテルマンを退職後、憧れだった役者を夢見て、映画のエキストラやTV番組など精力的に活動!日常では、同い年で認知症を患った妻の介護を約15年間続けてきました。

ある日、新聞記事で見つけた菅原さんの演劇ワークショップに参加したことが、看板俳優”おかじい”誕生のきっかけです。

〇恋はみずいろ上演
2024年の夏、岡山県奈義町で上演された劇団の新作。ここに岡田さんの姿はありませんでした。23年に妻を亡くした岡田さんは、24年、体調を崩して入院。回復してからも、一人暮らしに限界を迎え、施設に入ることになりました。

(あゆむの家 管理者 柴山祐一郎さん)
「今でも筋力の低下はある。安全に安心して暮らしてもらえるように施設で生活してもらっている。すごいと思う、舞台の話になるとすぐに役者モードになる」

「こんにちは」
「あー直樹」
「きょう稽古」
「ずっとまっとったのに来ない」
「時間ないので行きましょう」

菅原さんは、岡田さんが出演できなかった舞台、「恋はみずいろ」に出演してもらおうと、再びオファーをしたのです。岡田さんにとって約2年ぶりとなる舞台に向けて、役者魂が再び沸き上がりました。

「おかじい!」
「はるちゃん!」
「マイケル」
「金ちゃんか」
「頑張りましょう」

物語の舞台は老人ホーム。そこで出会う人たちを通して家族のあり方を考えるというストーリー。菅原さんの舞台には、プロの役者のほかに、障害や脳出血の後遺症がある人、コミュニケーションが苦手な人など、何かしら生きづらさを抱える人たちも出演します。

24年から稽古を続けてきた仲間たちが岡田さんを迎え入れ、体調を気遣いながらともに舞台を作っていきます。

〇芝居の稽古
「歌手になるという所でけんかをしてもらって、出て行けと言って、そしたら佐代子出ていくので、出ていったら戻って来てくれと嘆いて」
「分かった」

「歌手になりたいって・・」
「わーん」
「歌手にはなれない」
「出ていく」
「出ていけ」
「佐代子東京へ行った・・」

〇誕生日のサプライズ
「ハッピバースデートゥーユー」
「おかじい」
「佐代子、ありがとう」

(劇団OiBokkeShi主宰 菅原直樹さん)
「いろいろと体が不自由になっていくが、演技を通じて人生のある瞬間を再びつかみ取ろうとする気迫を感じる」

老いてはいくものの、岡田さんは年を重ねるにつれ、舞台の上でできることはどんどん増えていくと、監督の菅原さんは話します。

岡田さんにとって舞台は特別なもの。舞台には不思議な力があるようです。

(岡田忠雄さん)
「命ですよ、ふつうのあれじゃない。私は舞台が命、人生は芸術なり」

99歳の看板俳優、岡田さんの役者人生をかけた舞台は、6月14日と15日、岡山市の岡山芸術創造劇場ハレノワで上演されます。