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【独自】野球部員自殺から9年 県教委が責任を認め遺族に“直接謝罪”へ 岡山操山高校【岡山・岡山市】

2021.10.12

【独自】野球部員自殺から9年 県教委が責任を認め遺族に“直接謝罪”へ 岡山操山高校【岡山・岡山市】

2012年、岡山市の岡山操山高校で、野球部の生徒が自殺した問題で、岡山県教育委員会が、「自殺の原因は、野球部監督からの叱責や体罰にある」などどして、監督や学校、県教委の責任を初めて認めた上で、近く遺族に説明し、謝罪することが分かりました。

この問題は、2012年、岡山操山高校の野球部で、マネージャーをしていた当時、高校2年の男子生徒が自殺したもので、亡くなる当日、野球部の監督に激しい叱責を受けていました。

(岡山操山高校 廣本勝裕校長(当時))
「行き過ぎた指導がなかったとはいえない立場」

学校と県教委は、「いじめや体罰はなかったが、行き過ぎた指導がなかったとはいえない」とした上で、「監督の叱責と自殺との因果関係は分からない」と主張していました。

遺族は、自殺の原因を検証する第三者委員会の設置を要望していましたが、最初の会合が開かれたのは、生徒が自殺してから約6年後でした。

そして、2021年3月、第三者委員会は最終調査報告をまとめ、自殺と叱責の間に因果関係があったと認定しました。

(第三者委員会は…)
「監督からの指導に服さなければならないという関係性がある中で、最後の叱責があった。最後の叱責が生徒に与える精神的打撃は非常に大きかった。最後の叱責がなければ、自死はなかったという点で因果関係はある」

この調査委員会の報告書を受け、県教委が、生徒の自殺や原因調査の遅れなどについて監督や学校、そして、県教委自身の責任をはじめて認める文書を9月、遺族に送っていたことがわかりました。

この中で県教委は、自殺の原因は、「事案発生前にすでに形成されていた監督と生徒との関係性を背景とする、監督からの叱責や体罰」であり、「これらの言動は、教員という立場を利用したハラスメントだった」と自殺との因果関係を認めました。

また、自殺の原因調査が適切に実施できなかったことや、第三者委員会の設置が遅くなったことなどについては、「問題点の背景には、組織としての保身があった」として、学校や県教委の責任を認めました。

県教委は、近く、報告書に関する見解を、直接、遺族に説明し、謝罪することにしています。