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2024.03.04

岡山市から公設の海水浴場がなくなる…かつては2万人超来場の宝伝海水浴場廃止の背景は?【岡山】

岡山市東区にある宝伝と犬島の2カ所の海水浴場の廃止が決まり、これで市内の公設の海水浴場は全てなくなります。一時は2万人近くが利用していた海水浴場の廃止に地元から惜しむ声が聞かれました。

(三竿雅義 記者)
「こちらが宝伝海水浴場、海の向こうが犬島の海水浴場。岡山市は3月になって海水浴場の廃止を決めました。一体何が起きているのか取材しました」

宝伝海水浴場の隣で農作業をする人に話を聞きました。

(農家の人は)
「夏にここに来なくても、他にも(レジャーは)あるからと年々減ってきて。よかったんですけどね、大勢来てにぎやかで」

こちらは2002年からの海水浴客の推移です。一時は2万人以上が利用していましたが年々減少傾向で、コロナ禍の2020年からは感染症対策により開設されませんでした。

2つの海水浴場を運営しているのは地元の観光協会は2023年、4年ぶりの開設を検討したものの、協会のメンバーの高齢化により約1カ月間の毎日の運営は困難として開設を見送りました。

(西大寺観光協会 大森後藤治会長)
「地元の人の全面的協力をもとに開設されていたが、その人たちが高齢化しパワーが落ちた。せっかく場所があるのにできないのは残念」

今回、岡山市は運営スタッフの高齢化が進んでいるうえに、レジャーの多様化で今後も利用客の増加は見込めないとして廃止を決めました。

(岡山市東区まちづくり推進室 落合豊室長)
「海水浴需要そのものが下がっているのと、(開設中は)1日平均4~5人がいる状態だが、夏の暑い中人を集めるのが困難になった」

これで岡山市内から公設の海水浴場は全てなくなります。市によりますと海水浴場の廃止に伴いゴミの放置なども懸念されるということです。

岡山県内で見ますと主な公設の海水浴場はこれで9カ所となります。レジャーの多様化が進む中、利用客の減少はどこの海水浴場でも課題に挙げれられていますので、それぞれの海水浴場の魅力づくりなども必要となりそうですね。