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2023.08.02

サンポート高松で“歩行者天国”実証実験 観光&省エネで注目も…車の利用者は「不便」【香川・高松市】

サンポート高松を歩いて楽しめるエリアにしようと、香川県が8月2日から車の通行を規制する社会実験を始めました。観光や省エネの観点から注目される実験ですが、生活への影響が大きく理解を広げられるかが鍵となります。

(前川裕喜記者)
「道路の上の連絡橋から見ると片側2車線の道路が1車線規制され、本来まっすぐ進めるところが通行止めになり車がUターンを強いられている」

約100メートルにわたって歩行者天国となったJR高松駅北側の市道。

(歩行者天国の利用者)
「ここで食べて、風が気持ちよく、おいしく感じられた」
「歩行者天国で安全だし、観光客にはいいと思う」

キッチンカーが並び楽し気な雰囲気の一方、通行する車にとっては負担となりました。

この場所は8月6日も午前7時から午後6時まで歩行者天国となる予定です。同じサンポート高松では、県立アリーナ建設地北側の片側2車線の市道も、8月2日から6日まで約300メートルにわたって1車線化しています。いずれも規制に伴う車の流れを見るのが目的です。

(香川県都市計画課 奥村武課長)
「周辺交通への影響がどう出るか、調査分析したい」

このエリアでは2024年、新しい商業ビル、2025年に県立アリーナ、徳島文理大学の新しいキャンパスなどが次々にオープンします。県はこのエリアでさらなるにぎわい創出のため2023年度、検討会議を設置。そこで注目したのが、全国各地で検討が進む車道を減らして歩行者の空間を充実させる政策でした。

(香川県都市計画課 奥村武課長)
「にぎわい創出のため、人が戻ることが重要。軽快に回遊でき、歩ける状況を作ることが重要」

こうした政策は省エネに貢献し、7月のG7香川・高松都市大臣会合で示された持続可能な都市にもつながります。しかし車を利用する県民生活への影響は大きく、懸念の声も上がりました。

(車の利用者は…)
「この辺は車で運転するので(規制は)不便。駐車場もないし気軽に止めて歩ければいいとも思う」

(香川県都市計画課 奥村武課長)
「周辺住民への影響があるので合意形成を丁寧にして高松市とも一体となって進めたい」

県は23年10月頃、再び検討会議を開き、社会実験の結果を踏まえた今後の対応を議論します。アフターコロナや持続可能をテーマにした新しい都市政策は、今後のまちの姿を決めるものとなりそうです。