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被災乗り越え甲子園に

2020.08.28

被災乗り越え甲子園に

倉敷商業高校野球部の主将・原田将多さん。

原田さんの高校生活は苦難の連続でした。

高校1年時の2018年7月、西日本豪雨で倉敷市真備町にある実家は2階まで浸水し、全壊。

原田さんは野球道具を手に何とか避難しました。

「野球をしていていいのか…」そんな気持ちになりましたが、
父の浩司さんから「野球をしっかりやれ」と励まされて何とか前を向き、
その後は市内のみなし仮設住宅から学校に通いました。
家族やチームメイトら多くの人の支えと、何より自身の練習の成果が実り2年生でレギュラーを獲得。
昨秋からは主将としてチームを引っ張り、見事、秋の中国大会で優勝。
春のセンバツの切符をつかみ、地元真備町から応援のバスが出ることも決まっていました。

しかし、新型コロナウイルスの影響でセンバツに続き夏の大会も中止に。

そんな中、主将として3年生一人一人に電話をかけるなどチームを鼓舞し続け、
結果、代替大会となる岡山県独自の高校野球大会では優勝を勝ち取りました。

先日行われたセンバツ代表校が甲子園に招待される交流試合では、
東北の強豪校・仙台育英に6対1で勝利。
試合後は「3年間いろいろあったが、憧れの舞台でプレーできて最高だった」と
充実した表情を見せてくれました。

現地で観戦できたのは保護者や学校関係者のみ。
それでも画面越しに観戦したであろう地元真備町の人たちに勇気を与えた試合でした。

執筆:大杉 侑也(OHK報道部)
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