
2025.03.12
岡山で「サッカー専用スタジアム」新設のヒントとなるか?国内最大スタジアム周辺での活用方法【急上昇N】
今、関心の高い話題を詳しく解説する急上昇ニュースです。岡山で新設が議論されているサッカー専用スタジアムについて日本最大のスタジアムからその活用方法を探ります。取材した篠原記者の解説です。
(篠原聖記者)
「日本最大のサッカー専用スタジアム、さいたま市にある「埼玉スタジアム2○○2」です。3月8日、J1・ファジアーノ岡山が初めてこの埼玉スタジアムで試合を行いました。
明治安田J1リーグ第5節、浦和レッズとのアウェーゲームです。この日、岡山から駆け付けたファジサポーターは約2300人で、それに対しレッズサポーターは約3万人。日本一熱狂的なサポーターと言われていて、ピッチサイドで取材をしていたのですが、サッカー専用スタジアムで距離が近いこともあり、迫力がすさまじかったです」
・・・毎試合これだけの応援があるということはチームにとって頼もしい存在ですよね。
(篠原聖記者)
「埼玉スタジアムの収容可能人数は6万3700人。ファジアーノのホーム、「JFE晴れの国スタジアム」の約4倍で、開業から四半世紀近くたった今も日本最大、アジア最大級の規模です。ファジアーノがJ1で盛り上がりを見せている中、岡山でもこうしたサッカー専用スタジアムの是非が議論されています」
3月8日、ファジアーノ岡山の森井悠社長や多くのクラブスタッフは埼玉スタジアムを視察し、試合の臨場感を体感しました。
(ファジアーノ岡山 森井悠社長)
「(専用スタジアムについて)きょう来てくれたサポーターがどう感じたのかが大きい。その地域の思いの結集がまちを動かしていく」
東京都心から電車で約1時間、さいたま市の中南部にある緑区に2001年に開業した埼玉スタジアム2○○2。「埼玉をサッカーの聖地に」県をあげた一大プロジェクトとして2002年の日韓W杯を見据え建設されました。
その後、日本代表の試合やアジアチャンピオンズリーグなど多くの国際試合が行われ、日本を象徴するサッカー専用スタジアムに。周辺では都市開発が進み、最寄り駅からの道のりは鉄道会社が歩行者専用道路を整備。
大型商業施設やマンションが建ち並ぶようになり、この地域の人口は建設前の約2.5倍に増えました。田園風景が広がっていた平地にスタジアムを中心とした1つの街が出来上がりました。
(アーバンデザインセンターみその 岡本祐輝副センター長)
「学生の研究提案として 美園地域の敷地を与えて、どういう建物ができるか 研究するプロジェクト。そのまま実現するのではないが、同等の規模のもの建つ可能性はある」
さいたま市と連携してまちづくりを進める民間団体、「アーバンデザインセンターみその」。完成から24年がたちましたが、まだ発展する可能性を秘めていると言います。
(アーバンデザインセンターみその 岡本祐輝副センター長)
「まだやり切れていない。20年以上たっていると言われて耳が痛いが、サッカーの試合が開催される一瞬だけでなく、そのにぎわいを、まちをより良くしていく力に変えたい」
埼玉スタジアムの役割は他にも…それが「防災拠点」です。
地下には多くの非常食が備蓄されているほか、観客席の屋根で雨水を貯めてトイレの洗浄水などに活用できます。首都直下地震に備え、支援物資の受け入れや防災教育などで活用され県や市の全体でも大きな役割を担っています。
(さいたま市浦和東部まちづくり事務所 星圭祐さん)
「使っていく中で課題も含めて必要なことが分かってくると思うので、公・民・学が連携していろいろなことを考えていくことが重要」
(中塚美緒キャスター)
「いろいろな役割があってまさに街のシンボルとなっていますね」
(岸下恵介キャスター)
「ファジアーノに関しても、2025年に入ってチケットが完売し、観客席が満席となる試合も出てきている。岡山に新しいサッカー専用スタジアムができると、さらなるにぎわいづくりにつながるのでは」
(篠原聖記者)
「はい、その一方で、新しいスタジアムの建設には多額の費用がかかります。埼玉スタジアムの総工費は356億円。用地の買収費を加えると2倍以上に膨れ上がります。
県営スタジアムなので費用はほとんどが県税からまかなわれていて、また公園全体の運営費でも一見、黒字が続いているようですがこの他に指定管理の委託料として約3億円を支払っているため運営に課題があり、試合のない平日での利用促進が求められています」
・・・スポーツ以外の活用方法を検討する必要がありそうですね。
(篠原聖記者)
「その課題を解決するヒントが広島市に2024年開業した新しいスタジアムにありました」
ある企業が行った歓送迎会。この会場、実は…サッカーのスタジアムです。
広島市の中心部に2024年2月に開業した「エディオンピースウイング広島」。ラウンジや会議室などが設けられていてパーティーやセミナー、学会などの会場として多く使われています。
(歓送迎会に参加した人)
「サッカーのファンではないので見に来ることはほとんどないが、こういう使い方ができるので新鮮」
観客の収容可能人数は約2万8000人。ホームとしているサンフレッチェ広島の試合では2024年、平均2万5000人が来場していて、集客率はJ1トップです。試合がない日でもスポーツの分野ではなない様々なイベントが行われ稼働率も高く、「まちなかスタジアム」として上々のスタートを切っています。
・・・スタジアムで飲むお酒って最高ですよね。試合観戦の時に飲むのも良いが、そうではない時に飲むのも解放感があって良いのでは
(篠原聖記者)
「この広島のサッカー専用スタジアムですが、街の中心部に作られたのは日本で初めて。交通の利便性など建設された場所の特性を生かした従来の枠に捉われない形での活用につながっています。もちろん岡山に建設されるとしても完成するのは数年先です。多額の費用がかかることからも新設の必要性や地域のニーズをしっかりと把握しなければなりません。ただ、メリットを最大限に活かすためにどのようなスタジアムが必要か、議論を加速すべき時に来たのではないでしょうか」

「日本最大のサッカー専用スタジアム、さいたま市にある「埼玉スタジアム2○○2」です。3月8日、J1・ファジアーノ岡山が初めてこの埼玉スタジアムで試合を行いました。

・・・毎試合これだけの応援があるということはチームにとって頼もしい存在ですよね。
(篠原聖記者)
「埼玉スタジアムの収容可能人数は6万3700人。ファジアーノのホーム、「JFE晴れの国スタジアム」の約4倍で、開業から四半世紀近くたった今も日本最大、アジア最大級の規模です。ファジアーノがJ1で盛り上がりを見せている中、岡山でもこうしたサッカー専用スタジアムの是非が議論されています」
3月8日、ファジアーノ岡山の森井悠社長や多くのクラブスタッフは埼玉スタジアムを視察し、試合の臨場感を体感しました。
(ファジアーノ岡山 森井悠社長)
「(専用スタジアムについて)きょう来てくれたサポーターがどう感じたのかが大きい。その地域の思いの結集がまちを動かしていく」
東京都心から電車で約1時間、さいたま市の中南部にある緑区に2001年に開業した埼玉スタジアム2○○2。「埼玉をサッカーの聖地に」県をあげた一大プロジェクトとして2002年の日韓W杯を見据え建設されました。
その後、日本代表の試合やアジアチャンピオンズリーグなど多くの国際試合が行われ、日本を象徴するサッカー専用スタジアムに。周辺では都市開発が進み、最寄り駅からの道のりは鉄道会社が歩行者専用道路を整備。


「学生の研究提案として 美園地域の敷地を与えて、どういう建物ができるか 研究するプロジェクト。そのまま実現するのではないが、同等の規模のもの建つ可能性はある」

(アーバンデザインセンターみその 岡本祐輝副センター長)
「まだやり切れていない。20年以上たっていると言われて耳が痛いが、サッカーの試合が開催される一瞬だけでなく、そのにぎわいを、まちをより良くしていく力に変えたい」


(さいたま市浦和東部まちづくり事務所 星圭祐さん)
「使っていく中で課題も含めて必要なことが分かってくると思うので、公・民・学が連携していろいろなことを考えていくことが重要」

「いろいろな役割があってまさに街のシンボルとなっていますね」
(岸下恵介キャスター)
「ファジアーノに関しても、2025年に入ってチケットが完売し、観客席が満席となる試合も出てきている。岡山に新しいサッカー専用スタジアムができると、さらなるにぎわいづくりにつながるのでは」
(篠原聖記者)
「はい、その一方で、新しいスタジアムの建設には多額の費用がかかります。埼玉スタジアムの総工費は356億円。用地の買収費を加えると2倍以上に膨れ上がります。


(篠原聖記者)
「その課題を解決するヒントが広島市に2024年開業した新しいスタジアムにありました」
ある企業が行った歓送迎会。この会場、実は…サッカーのスタジアムです。
広島市の中心部に2024年2月に開業した「エディオンピースウイング広島」。ラウンジや会議室などが設けられていてパーティーやセミナー、学会などの会場として多く使われています。
(歓送迎会に参加した人)
「サッカーのファンではないので見に来ることはほとんどないが、こういう使い方ができるので新鮮」
観客の収容可能人数は約2万8000人。ホームとしているサンフレッチェ広島の試合では2024年、平均2万5000人が来場していて、集客率はJ1トップです。試合がない日でもスポーツの分野ではなない様々なイベントが行われ稼働率も高く、「まちなかスタジアム」として上々のスタートを切っています。
・・・スタジアムで飲むお酒って最高ですよね。試合観戦の時に飲むのも良いが、そうではない時に飲むのも解放感があって良いのでは
(篠原聖記者)
「この広島のサッカー専用スタジアムですが、街の中心部に作られたのは日本で初めて。交通の利便性など建設された場所の特性を生かした従来の枠に捉われない形での活用につながっています。もちろん岡山に建設されるとしても完成するのは数年先です。多額の費用がかかることからも新設の必要性や地域のニーズをしっかりと把握しなければなりません。ただ、メリットを最大限に活かすためにどのようなスタジアムが必要か、議論を加速すべき時に来たのではないでしょうか」