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2025.02.04

倉敷市からK-1世界王者目指す健介選手 家族を養いながらジムで子供と技を磨く23歳男の素顔【岡山】

キックボクシングを中心とした格闘技で頂点を決める競技「K-1」。多くの格闘家が夢見る舞台のチャンピオンを目指す倉敷市のプロキックボクサーを取材しました。

倉敷市にあるキックボクシングジム、ジェイズボックス。幼稚園児からプロの選手までが所属するこのジムから世界一の格闘家を目指す注目の選手がいます。

倉敷市出身のプロキックボクサー、健介選手(23)です。週に4日ジムに通い、K-1の頂点を目指して技を磨いています。

(健介選手)
「左のストレートと左の蹴り全般が得意。常に相手を倒しに行くスタイル。いつもKOを狙って戦っている」

普段は、倉敷市内で働きながらジムに通う健介選手。2024年12月、UAEのアブダビで行われた国際試合で中国出身の若きホープ、チャオ・ユーハオ選手に勝利。世界に通用する実力を示しました。

このジムはプロの選手と子供たちとの距離が近く、健介選手は子供たちの憧れになっています。

(ジムに通う子供は…)
「目標の選手。スピードが速くて蹴りが強いところをまねしたい」
「めちゃくちゃ強い選手だと思う。蹴りやパンチの速さをまねしたい」

健介さんがプロキックボクサーになったのは19歳の時。元プロボクサーでジェイズボックス代表の岡本晋さんは当時の健介選手の格闘センスに驚いたと言います。

(ジェイズボックス 岡本晋代表)
「ちょっと動きが違った。パンチ力もすごいし、スピードも全然違った。その頃から出来上がっていた」

健介選手は現在、K-1の舞台を目指す若手選手がしのぎを削る「Krush(クラッシュ)」というリーグに所属しています。このリーグでチャンピオンに輝き、実力をアピールすることでK-1の上位ランクの選手と対戦することができます。健介選手は3年前からこのリーグに参戦し、これまでの通算成績は13戦9勝。そのうち5試合をKOで勝利しています。

圧倒的な攻撃力で勝利を重ねてきた健介選手の強さの原点は姉の影響で5歳から始めた空手でした。空手を通じて健介選手の格闘家としての才能が開花。小学4年の時には空手の全国大会で準優勝しています。

中学生からは空手を離れ野球部に所属しますが、少年時代にテレビで見たK-1選手の勇姿が格闘技への意欲をかきたて、高校2年だった2018年、キックボクシングジムの門を叩きます。

(健介選手)
「昔、空手をやっていてその時にK-1がはやっていたので、試合前に映像を見てモチベーションを上げていた。ずっと憧れていた」

ストイックな性格で努力をいとわない健介選手の姿は周囲にも刺激を与えています。

健介選手の後輩で同じプロキックボクサーの前田慈麗選手(17)。前田選手は2025年6月に開催されるK-1甲子園に出場予定で、高校2年生ながら逸材として期待される将来有望の選手です。

同じ釜の飯を食べて成長してきた2人は互いの存在についてこう語ります。

(前田慈麗選手)
「打撃も全般的にうまくて、蹴りもバランスがよくてうまい。いつも1人で練習していて憧れの選手」

(健介選手)
「入ってきたばかりの頃はすごく小さくて練習もあまりしてなかったが、中学3年から練習をしっかりして、今もどんどん強くなっているので数年後に抜かされないように頑張りたい」

健介さんを献身的に支えるのが高校の同級生で、妻の聖菜さん(23)です。

(健介選手)
「普段の生活から支えてもらっている。仕事して、練習してという日常の中で家にいる時間も少ないし、家事もやってもらっているので、1人だったらここまで来られていないと思う」

K-1チャンピオンというさらなる高みへ・・・健介選手の挑戦は続きます。