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2025.01.10

飛躍の1年を経て目標の“金メダル”へ!初の日本開催「デフリンピック」代表目指す岡山・香川3選手の思い

各界のキーパーソンに聞く新春インタビュー。最終回の1月10日は、2025年、日本で初めて開催される、聞こえない、聞こえにくい人のオリンピック「デフリンピック」への出場を目指す岡山・香川の選手に決意を聞きました。

(デフ陸上走高跳 佐藤秀祐さん)
「今年のテーマは「デフリンピック」」

(デフバドミントン 片山結愛(ゆめ)さん)
「「金メダル」。きらきらしている」

(デフ陸上400mH 石本龍一朗さん)
「「感謝」。とにかく人との出会いに感謝して頑張っていきたい」

2025年11月、東京で開催されるデフリンピック。4年に1回開催される、聞こえない、聞こえにくい人のための国際的なスポーツの祭典です。2025年で100周年を迎え、初めて日本で行われます。

岡山・香川でデフリンピック出場を目指す3選手。
まずは、デフバドミントン。香川県出身で岡山市のノートルダム清心女子大学3年、片山結愛さん(21)。続いて、デフ陸上男子走高跳。岡山市の平林金属所属の佐藤秀祐さん(20)。そして、デフ陸上男子400メートルハードル。岡山大学2年、石本龍一朗(19)さんです。

代表の選考に向けて大事な1年となった2024年、それぞれの選手にとって大きく飛躍した年になりました。

(片山結愛さん)
「マレーシアで行われたアジア大会の混合団体戦で優勝した金メダルとミックスダブルスで3位を取った時の銅メダル。団体戦では初めて日本が優勝し、うれしい気持ちでいっぱいだった。(去年は)デフリンピックに向けた選考会がずっと行われていて、(去年は)一つ一つの大会で集中していて、自分の実力を磨くことができた」

一方、佐藤さんは日本選手権で自己ベストを更新、大会新記録で優勝しました。

(佐藤秀祐さん)
「体幹の鍛え方や体の使い方を教わり、2024年7月の世界デフ陸上競技選手権では世界5位という結果を出せた。後半は日本デフ陸上競技選手権で195センチを跳んで、大会新記録を更新できてよかった。世界選手権など、いろいろな大会に出たことでメンタルも強くなった」

また石本さんは初出場の日本選手権でいきなり大会新記録を更新し見事、優勝しました。

(石本龍一朗さん)
「すごくうれしかった。2024年10月に初めてデフ陸上の合宿に参加して、試合に出た。補聴器を外さなければいけないので情報は「スタートランプ」から得る。これまで全く経験がなかった」

3人は競技により集中できるようになったこの1年で様々な変化があったと言います。

Q:以前取材したときはまだ手話勉強中でしたよね
(片山結愛さん)
「試合中は補聴器や人工内耳を外して、聞こえない中でのプレーになる。手話を使って限られた時間の中でどれだけ内容の濃い話ができるかが重要となる、それで手話を覚えた」

一方、社会人2年目、仕事と競技を両立しながら寮生活をしている佐藤さんは大幅な減量に成功しました。

(佐藤秀祐さん)
「監督のアドバイスをもらって自分で食事を変えた。高く跳ぶために体を絞らないといけない。睡眠の質もおととし(2023年)と比べて良くなった」

2024年、初めてデフ陸上の世界に飛び込んだ石本さんは。

(石本龍一朗さん)
「ほぼジェスチャーのような手話で「石本です、よろしくお願いします」という手話表現だけ覚えて合宿に行った。そこでいろいろな人と知り合ったことで自分の興味の幅が広がり、いろいろなことを学ばせてもらった」

全ては11月に開催されるデフリンピックのために。まずは、国内選考で代表の座を勝ち取ること。そしてその先は・・。

(佐藤秀祐さん)
「まずは日本記録を破って、デフリンピックで金メダルを取る」
(石本龍一朗さん)
「金メダルを取ることが今年の目標。頑張ります。自国で開催されるので日本人の応援も多くあると思う、それを力に頑張りたい」
(片山結愛さん)
「日本チームとして団体戦で優勝 。個人でも金メダルを取りたい。結果を残して聞こえない子供たちの目標となる存在だったり、デフスポーツを通して夢や希望を与えられるような存在になりたい」

岡山・香川から世界へ。デフアスリートたちの熱い1年の幕開けです。