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2023.05.26

2年ぶり“塀の中の運動会” 最高齢81歳の受刑者も参加する刑務所の一大イベント【岡山・岡山市】

受刑者400人余りがしょく罪と更生に向き合う岡山刑務所で、5月26日、2年ぶりに運動会が開かれました。受刑者の高齢化が進む、塀の中の一大行事を取材しました。

「ルールにのっとり、正々堂々とフェアプレー精神で運動会に臨むこと」

塀の中で26日午前、開かれた運動会。2022年は受刑者が相次いで新型コロナに感染したため中止となり、2年ぶりの開催となりました。

(岡山刑務所 平井良樹所長)
「刑務所における運動会は単なるレクリエーションではない。それぞれが自分の責任を自覚し、終了後に何か得ることができるような運動会と言えるよう、切に願っている」

(受刑者の選手宣誓)
「我々選手一同はコロナ禍を乗り越え、きょうこうして運動会が開催されることへの感謝と喜びを胸に去、年開催されなかった運動会の分も全力で競技することを誓います」

参加した414人の受刑者が、6つの組に分かれて、玉入れや綱引き、リレーなど7つの競技を行いました。岡山刑務所は、初犯で刑期10年以上の受刑者を収容。人の命を奪った受刑者が大半を占めています。運動会の目的は、集団での社会性や協調性の向上、自己肯定感の醸成、健康増進などです。

(岸下恵介アナウンサー)
「運動会って、刑務所の中で言うとどういう存在・位置づけになりますか?」
(70代受刑者殺人罪・無期懲役)
「自分の中では一番ですね」
(岸下恵介アナウンサー)
「結構ご高齢の方も多いですよね?」
(70代受刑者殺人罪・無期懲役)
「そうですね、自分の工場では若い方ですから」

長期の受刑者を抱えるからこそ受刑者の高齢化は深刻で、高齢化率は29.8%。ここ10年で約10ポイント増え、最高齢は96歳です。(※競技参加の最高齢は81歳)

(職員は…)
「高齢受刑者も参加できるような内容の競技を入れている。規範意識っていうものを高めていって出所につなげられたら」

高齢化の波と向き合う刑務所。受刑者のしょく罪と更生、再犯防止に向けた生活はこれからも続きます。