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駐輪場でトレーニングも…「突出した選手はいない」四国大会制覇の英明 3回目のセンバツ甲子園へ【香川】

2023.03.17

駐輪場でトレーニングも…「突出した選手はいない」四国大会制覇の英明 3回目のセンバツ甲子園へ【香川】

センバツ高校野球に出場する香川の英明高校。その強さの秘密を紹介します。

(英明 西本泰三校長)
「センバツ高校野球に本校が選出されました。おめでとう」

2023年1月、英明高校は5年ぶり3回目のセンバツ切符を手にしました。

(英明 中浦浩志朗主将)
「最後まで諦めずに、目の前のプレーに全力を注ぐ野球を甲子園でも変えずに、最後まで粘り強い自分たちの野球ができたら」

(英明 香川純平監督)
「うれしい気持ちはもちろんだが、身の引き締まる思いというか、まず選手の力を大舞台で発揮できるかどうか、のびのびと選手がプレーできる環境づくりをしていきたい」

2022年11月の秋の高校野球四国大会。英明は準決勝で強豪の高知と対戦しました。1対1の同点で迎えた5回表、英明は1アウト2塁1塁で、3番百々がレフトオーバーのタイムリーツーベースを放ち2点を勝ち越します。

投げては、3回途中から登場したエースの下村が要所を締めるピッチングで、8回までを2失点に抑えます。9回裏2アウト満塁のピンチを迎えますが、最後はキャッチャーフライに打ち取りゲームセット。次の決勝にも勝利し、四国大会を制した英明はセンバツの切符を確実なものにしました。

英明野球部は2005年創部、これまで夏2回、春2回の甲子園出場を果たしています。大会まで1か月を切った2月23日、英明の野球部員たちは学校の駐輪場でトレーニングをしていました。

高松市の市街地に校舎を持つ英明は、実践サイズの練習場を持っていません。実践練習は他校のグラウンドを借りて行っています。英明を率いて5年目、香川純平監督はいつも選手たちにこう伝えています。

(英明 香川純平監督)
「全力でやり切る。力のないチームだったので、ここだけはちゃんとやれば力はついてくるからと。30mのダッシュを一生懸命最後まで走れば速くなるから、最後の一球までキャッチボール丁寧にやるとうまくなるから信じてやろうと」

突出した選手はいないという香川監督。何事も全力でやり切るというスローガンのもと、1人1人が全力で野球に向き合い成長してきたのです。

そんな英明の投手陣を引っ張るのが、エースの2年・下村健太郎投手です。右投げのサイドスローで、シュート回転がかかった直球のほか、スライダーやカーブが持ち味の技巧派ピッチャーです。

(英明 下村健太郎投手)
「どんな相手にも関わらず、やはり自分の打たせて取るピッチングができるところ」

一方、打撃でチームを引っ張るのが4番の寿賀弘都選手です。寿賀選手の持ち味は・・・。

(英明 寿賀弘都選手)
「苦手な球種やコースはない。甘い球を強く打てる」

秋の公式戦打率は4割7分4厘。寿賀選手はチームが勝つために必要なことをこう分析します。

(英明 寿賀弘都選手)
「ホームランを打つバッターは1人もいない。ヒットでつないで低い当たりを打つ。大振りになってはいけない」

ホームランバッターがいない中で、1人1人がきちんと自分の仕事をこなし、着実に得点を積み重ねる、これこそが2023年の英明野球の真骨頂です。

(英明 香川純平監督)
「優勝やセンバツを目指してプレーするよりも、1試合を考えたほうが選手の力が出せると思って野球をやってきた。1試合1試合やっていくことで、だんだん力をつけてきたイメージ。出来ないことができるようになってきた、その積み重ねがこういう結果になった」

目の前のことを全力でやり切る。英明高校野球部の3回目の春が間もなく始まります。

(英明 下村健太郎投手)
「チームみんなで力を合わせてやっていきたい。甲子園だからと力まず、四国大会でやってきた打たせて取るピッチングをしたい」

(英明 寿賀弘都選手)
「(甲子園に)行くだけでなくて勝って香川に帰ってきたい」

(英明 中浦浩志朗主将)
「ダッシュ一本でも全力で走り切る、そういうことをずっとやってきたので、目の前の1勝を全力で戦い抜きたい」

英明の初戦は19日の第3試合、智弁和歌山と対戦します。