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2022.12.08

全国で唯一 不登校の中学生が通える「夜間中学」 不登校の克服へ…【香川・三豊市】

2022年4月、開校した三豊市の「夜間中学」に、全国で初めて不登校の現役の中学生が通い始めました。不登校の克服に向けて「夜間中学」の大きな可能性が見えてきました。

明かりが点いた夜の教室です。10代から80代まで様々な背景を持つ人が学ぶ中、中学3年の中川大貴さん(14)の姿がありました。2022年10月まで不登校でしたが今は、学校生活を楽しんでいます。

(中学3年 中川大貴さん)
「実技が楽しい。数学が苦手なので、数学とか苦手なものを少しでもできたらいい」

三豊市の「夜間中学」は、様々な理由で十分に義務教育を受けられなかった人や外国人を対象に、中学校の教育課程を学び直してもらおうと、2022年4月、香川県で初めて開校しました。現在11人の生徒に対し、15人の教職員がサポートしています。

公立の「夜間中学」としては全国で唯一、不登校の中学生が通える指定を受けていて、近県から引っ越してきた中川さんが初めての転入となりました。

中川さんは、友人関係のトラブルで不登校になりましたが、「夜間中学」の存在を知って気持ちが変わったといいます。

(中川大貴さん)
「中学2年の夏休みに入るまでは行っていた。(学校に)行きたかったのは行きたかった。学校がかわるから行きやすくなると思った」

中川さんの両親も心境の変化を喜んでいます。

(中川さんの父親 真治さん 53)
「今は学校に行っているので、夜、学校が終わって帰ってくるまでは待っている。ニコニコして帰ってきて、うれしい」

中川さんが変わった理由について、両親は次のように話します。

(中川さんの母親 加代さん50)
「トラブルになって、同年代が苦手になったので、同じ(世代の)子供ばかりじゃないのが、違ったのかなと思う」

(中川さんの父親 真治さん 53)
「子供なりの考えを 聞いてくれる大人が周りに(いる)。先生も相談に乗ってくれる。そういう大人がいれば不登校も減ると思う」

中川さんは2023年3月に卒業する予定で、通信制の高校への進学も考えるようになりました。

香川で初めて誕生した「夜間中学」、不登校の生徒の新たな学びの場としても、今後、さらに大きな役割を果たすことが期待されます。