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2021.12.17

生乳“大量廃棄”の恐れ 年末には全国で約5000トン 酪農家にさらなる追い打ちも…【岡山】

新型コロナが暗い影を落としています。

年末年始、牛乳の原料となる生乳が余り、大量廃棄される恐れが出ています。

岡山県内でも酪農家が不安を募らせています。

(金子原二郎農林水産相 会見)
「このままいくと5000トン位の生乳を捨てざるをえない。国民の皆さんにできるだけ牛乳を飲んで協力いただきたい。心からのお願い」

コロナ禍で飲食店などの需要低迷や、年末年始の学校給食の休止などで、酪農団体などでつくる「Jミルク」によりますと、年末には全国で約5000トンの生乳が余ると試算されています。

1000メートル級の山々が連なる那岐連山の南に位置する奈義町中島東。豊かな自然環境で、66年間にわたって酪農を手掛ける会社、ヒジヤデーリィです。

2代目経営者の小童谷則夫さんは、乳牛100頭を飼育し、年間約700トンを出荷しています。

小童谷さんによりますと、コロナ禍で牛乳などの消費が低迷し、バターや脱脂粉乳など、長期保存可能な加工品に使われることから、生乳の買取価格が2年前と比べて4%から5%下がったといいます。

さらに、こんな追い打ちも…

(ヒジヤデーリィ 小童谷則夫さん)
「毎月入ってくるはずのエサが入って来ないので、苦労している」

飼料に混ぜる外国産の干し草は、コロナ禍で十分な量が入手できず、地元の酪農家で分け合っています。

トウモロコシなどの飼料も海外から輸入する原料や、輸送費が高騰していて、経営を圧迫しています。

(ヒジヤデーリィ 小童谷則夫さん)
「なかなか改善されないので、不安は大きい。牛乳の消費拡大を何とか進めていきたい」

需要低迷が懸念される酪農業界。農林水産省では、消費拡大に向けたPRを進めていくことにしていますが、先の見えない状況に、小童谷さんは不安を募らせています。