プラスチックを使用していない環境に優しい文具として、紙製のファイルが注目されています。

紙なのに透けているという不思議なファイルを岡山市で取材しました。

その名も「紙ースルー（シースルー）ファイル」。

一見すると半透明の普通のクリアファイルのようですが…
（ビリビリ）
紙からできているため、力を入れるとこのように破れます。

環境問題に注目し、脱プラスチックを進める企業が増える中、岡山市南区にある紙製品加工会社パック・ロードが、１年ほど前に企業からの依頼を受けて開発に挑みました。

（パック・ロード　中桐英策社長）
「紙で透けるって普通ありえない」

数々の製品を生み出してきたパック・ロードですが、透ける紙製品は取り扱ったことがありません。
そこで思いついたのが…

（パック・ロード　中桐英策社長）
「紙製品で中が見えるもの考え、トレーシングペーパー」

トレーシングペーパーとは、図柄などを透かして複写するための半透明な紙のことで、木材などの繊維「パルプ」から出来ています。

まずはトレーシングペーパーを機械でファイルの形にカットしていきます。

（刃を埋め込む）
カットするための木型も自社で作成。

最後は二つ折りにしたトレーシングペーパーを特殊な両面テープで貼り付ければ完成です。

この紙ースルーファイル、紙でできているため、複合機を使えばこんなこともできます。

（リポート　久保さち子）
「パソコンからデータを送れば、好きな図柄や文字を印刷し、自分だけのオリジナルファイルを作れる」

デザイン自由で環境問題にもアピールできるとして、自治体や企業からも多くの注文がきています。

薄い１枚のファイルから始まる脱プラスチックへの道。

紙製品の可能性にかけた挑戦が続いています。

「紙ースルーファイル」は一般販売していませんが、無地のものだと１００枚６０００円から注文できるということです。