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吹屋地区で人気そば店が危機…東京から移住の救世主!新そば店オープンに奮闘【岡山・高梁市】

2020.09.18

吹屋地区で人気そば店が危機…東京から移住の救世主!新そば店オープンに奮闘【岡山・高梁市】

ベンガラの街並みで知られる高梁市の吹屋地区に人気のそば店があります。従業員の高齢化で閉店の危機を迎えた店を救ったのは、東京から移住した男性。店を引き継ぎ、もうすぐ新しい店をオープンさせることになりました。味だけでなく地元の人の思いも受け継ぎます。

銘形一哉さん27歳。このまちに移り住み3年が経ちました。

(銘形一哉さん)
「頼まれたら草刈りしに来る何でも屋、よろず屋みたいなことしている、でも10月からお店が始まる」

銘形さんの本当の仕事はそば店の店主。店の改修工事が終わるのを待っているのです。

(まちの人)
「私たちの方が世話になっている若い人には」

まちの人たちとは、すっかり家族の様・・。

(地域の人)
「がっちゃんいい子だからあそこ貸してあげなよと声がかかったんですよ」

使わない部屋を借りて念願だった「吹屋」の住民になりました。

(銘形一哉さん)
「ちょっとした触れ合いできょうも頑張ろうといい気持ちになれるのでそれが不思議な街というか吹屋の人達の魅力だなと思う」

もともとは、東京の飲食店で働いていましたが、都会での暮らしに違和感を感じ移住先を求めてネットで検索したキーワードは・・。

(銘形一哉さん)
「村、自然、人とのつながり、物々交換、豊かさ、今でもこれを調べると吹屋のページが一番上にくるんですけど」

すっかりほれ込んだ銘形さんはすぐに吹屋へとやってきました。銘形さんが引き継ぐ店は、約40年前から続く人気のそば店でした。観光客の休憩所にと地元の女性たちで切り盛りしてきましたが全員が80歳を超え跡継ぎもいないため閉店するしかありませんでした。

(銘形一哉さん)
「継続できないという話を聞きましてもったいないと僕にやらせてもらえないかとここにいる」

引退するはずだった松浦俊子さんは、この1年、銘形さんに一からそば作りを教えてきました。

(指導)
「塩ちょと入れたほうがいい?」
「そうや」
「塩や」
「酒入れた?」
「感覚」
「松浦さんが作ると同じ味僕が量を量っても違ってくる」

地元の人や観光客が愛した具だくさんの田舎そば。この味を、銘形さんが受け継いでいくことになったのです。

(松浦俊子さん)
「えーこんなんなって、久しぶりえーようになった」

雨漏りしていた店の改修に加え、新型コロナ対策の仕切りなども設置します。なじみ客のためにこだわったのは…。

(銘形一哉さん)
「これ黒電話も使う」

(松浦俊子さん)
「使うん?」
「珍しいって言っていたよ、黒電話」
「ずっと40年から」

(松浦俊子さん)
「塩で最後は味が決まるからそれ用心したらええよっておしまいにはええようにしてくれている」

銘形さんの独り立ちに太鼓判を押した松浦さんですが、もうしばらく看板娘として店を手伝うことにしました。

(銘形一哉さん)
「吹屋の人やいろんな関わっている人の思いを繋いでいける店にしたいと思っている」

銘形さんが引き継ぐ味と思い、店は、10月上旬にオープンする予定です。