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ワクチンの「コロナと同時接種」は大丈夫? 2022年はインフルエンザ流行のおそれ【岡山・香川】

2022.09.09

ワクチンの「コロナと同時接種」は大丈夫? 2022年はインフルエンザ流行のおそれ【岡山・香川】

日本感染症学会は、2022-23シーズン「インフルエンザ流行の可能性が大きい」としています。日本と季節が逆の南半球にあるオーストラリアですでに患者数が例年を超えるレベルになっていて、今後海外からの入国が緩和され人的交流が増加すれば、国内へウイルスが持ち込まれ、秋から冬にかけて同様の流行が起きる可能性があるといいます。

となると気になるのが、「インフルエンザと新型コロナのワクチンを同時に打ってもよいか」です。今後の見通しを含め、関西福祉大学の勝田吉彰教授に聞きました。

■“ハイブリッド感染”のおそれ

(関西福祉大学・勝田吉彰教授)
「今年のインフルエンザは相当にひどいことになる。南半球ではシーズン当初、(感染者数が)非常に急激な立ち上がりをした。社会に集団免疫的なものが2年続けてなかったので、そこに入ってきた。もう一つは世界的な感染症対策の緩和。インフルもコロナも同じメカニズムで飛沫感染する。対策も共通していて、ウイルスの通り道を防ぐ事。しかし、世界で対策が緩和されているので、これからは“ハイブリッド感染”の時代。これまでのようにコロナだけ考えていればいいのではなく、コロナ、インフルエンザ、ノロウイルスが同時に、まさにハイブリッドに襲ってくる」

■同時接種してもいいのか?

「その中でワクチンをどうするかだが、私としては“同時に接種する”のがいいと思う。複数の種類のワクチンを同時に接種するのは、あまりなじみのない方が多いかもしれないが、実を言うと渡航医学の世界ではごく常識的に普通にやっている事。海外赴任の時は、限られた時間の中でA型肝炎、B型肝炎、破傷風、髄膜炎…といった色んな種類のワクチンを接種しなければいけない。それぞれのワクチンも2回、3回接種する。1回の接種で1本では(時間的に)間に合わないので、一度に複数のワクチンをやるのは渡航医学の世界では普通。まず皆さんに覚えていただきたいのは、2本のワクチンを一緒に接種するのはびっくりする事ではない。世界では普通にやっていること」

■間隔が短いのはよくない

「ワクチンとワクチンの間隔は決まっていて、定められた間隔を短くすると、最初のワクチンを打ったことで上がった免疫機能の作用を抑えてしまう。接種したワクチンをあまり“効果がないもの”にしてしまう。積極的に悪いことが起きるわけではなく、副反応の話ではないが、むしろせっかく打ったワクチンの期待される抗体ができなくなってしまう」

■むしろ“同時がいい”

「一方、同時に接種すると、一緒に免疫機能が働いて抗体を作るので、(免疫機能が)抑えられることはない。どうしてもタイミングがあわないとか、自分の行きつけの医院、集団接種会場で同時にできないことがあれば、その時には時間を空けていただくという事だと思う」