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聴覚障害者からみた参院選(2)続々誕生する“障害者の議員“に共感も【岡山・香川】

2022.08.01

聴覚障害者からみた参院選(2)続々誕生する“障害者の議員“に共感も【岡山・香川】

2022年7月10日に投票が行われた参議院選挙。OHKがネット配信した当日の開票速報番組では、「バリアフリーな社会」をテーマに、各界からゲストを招きました。

聴覚障害者の中西厚美さんと庄田正子さんは、「障害者からみた参院選」を語りました。暮らしやすい社会の実現に向けて、地方都市ならではの課題もあるといいます。
しゅ1
■“車いすの議員”も続々誕生

Q:障害者が議員として政治に参加するケースも増えていますが、どう感じていますか?

[中西さん]
「私は、障害者だから当選したとは思っていない。障害者でも、人格とか考え方とか、素晴らしい場合は、健常者でも、その人を信じて投票しているのではないかと思う」
しゅ4
[庄田さん]
「障害者の議員が当選したら、同じ立場なので共感できる。一緒に動いてくれるということが伝わってきて、とてもいい」

■日本社会の根底に「助け合う精神」

Q:障害者も暮らしやすい社会をつくるために必要なことは?
しゅ5
[中西さん]
「以前、厚生労働省の方と話した時、日本とアメリカの福祉制度では、『日本の方がいい』という話になった。私は文化的な背景が大きいのかなと思う。アメリカは法制度が進んでいるが、日本では法律などで強制するのではなく、人間関係を大切にすると思う。アメリカには「甘え」という英語はないと聞いたことがあるが、日本にはある。それが福祉制度に繋がっているのでは。お互いに理解して進めていこうという人間関係の基本的な考え方があると思う」

■障害者を特別扱いしないで

Q、障害者にやさしい街づくり・社会づくりに向けて、具体的にこうなってほしいと思う事は?

[中西さん]
「“障害者にやさしい街づくり”という言葉には、ちょっと抵抗がある。聴こえる人たちが「障害者がかわいそうだから特別に何かしてあげよう」という、上から目線に感じる。ではなく“皆が使いやすい街づくり”が基本にあれば、行政も予算を使いやすくなる。“障害者だけ”では難しい」

■地方都市ならではの課題

[中西さん]
「聴覚障害者は情報が不足している。電車に乗っている時、東京・大阪なら緊急情報がデジタルで、文字で出る。しかし岡山など地方では、電車も古いので目から入る情報がなく、音声だけ。そういうことを考えるとまだまだ進んでいない。コストを安くするため駅や警察が無人になり、対面が出来なくなっている。障害者にとって不便になっている面があると思う」

「障害者は色んな要望は出していくが、実際は遠慮がある。これを言ったら社会から悪く見られるのではないか、と不安を持っている人もいる。そういう所も理解して頂きたい」
 

(動画はこちら→)【参院選ライブ】有権者の選択は!?岡山・香川選挙区 開票速報
https://www.youtube.com/watch?v=wNlqvIn-pkQ
(中西さん・庄田さんの出演は1時間50分ごろから)