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2022.02.08

右腕に障害がありながら教師人生を…“情熱の源”には1人の先輩の姿が【岡山】

優れた授業や生徒指導などを行った岡山県の若手教職員を讃える野崎教育賞の表彰式が、岡山市で行われました。

受賞者の1人、右腕に障害がありながら教師になる夢を叶えた男性を取材しました。

(津山西中学校 槙原淳幹教諭)
「自分は障害者だと思ったことは今まで一度もなく、努力と工夫を何度も何度も繰り返すことで、身の回りのことはほとんどできるようになった」

2021年11月に岡山市で開かれた講演会、講師を務めたのは、津山市の津山西中学校の教諭、槙原淳幹さん(32)です。

槙原さんの右腕は、幼い頃の事故で動きません。

ハンデを抱えながらも教師という夢を叶え、子供たちに命の大切さを伝える授業を行っています。

自らの経験を語る中で、槙原さんは、尊敬するある教師の名前を上げました。

(津山西中学校 槙原淳幹教諭)
「小・中・高校の時に竹内先生が講演に来てくれた。あそこまで鳥肌が立つ講演は竹内先生が最初で最後」

全盲の竹内昌彦さん(76)は、岡山盲学校の元教頭です。

幼い頃いじめを受けた経験をもとに、どんなに辛くても命を粗末してはならないと講演を続けていて、その謝礼金でモンゴルやキルギスに盲学校を建設した他、途上国の子供の目の病気を治す取り組みを行っています。

障害がありながら教師人生を全うし、今もボランティア活動を続ける竹内さんは、槙原さんが教師を目指すきっかけとなった1人なのです。

今回、講演会の講師として槇原さんを招いたのが、竹内さんが所属する社会奉仕団体。槇原さんにとっては、憧れの人との対面です。

(2人のやりとり)
「あなた、国語の先生しているの?」
「中学校で国語を教えています」

【槙原さんは野球部を指導】
【生徒が自ら考え工夫する教育を実践】
【東日本大震災のボランティア活動を生かした特別授業】

(竹内昌彦さん)
「いい先生になられたなあ。生徒は幸せだと思う」

8日、槙原さんには若手教師を表彰する野崎教育賞が贈られました。

地域の教育をリードできる存在として評価されたのです。

(津山西中学校 槙原淳幹教諭)
「竹内先生から、幼い頃からエネルギーパワーをもらったので、子供たちに返していきたい」

槙原さんに目標の教師がいたように、槙原さんも目標とされる教師に近づきました。

槙原さんは、きょうも自らの背中を見せながら教壇に立ちます。