OHK 8Ch

  • LINE友だち追加
2021年末回顧「政治」 選挙イヤー ~見えてきたのは1票の重み~【岡山・香川】

2021.12.22

2021年末回顧「政治」 選挙イヤー ~見えてきたのは1票の重み~【岡山・香川】

特集は年末回顧、政治です。衆議院選挙と岡山・香川で9つの市長選が行われた選挙イヤー。見えてきたのは私たちの1票の重みです。

(衆議院本会議)
「本国憲法第7条により 衆議院を解散する」
1.png
この時、政権発足からわずか10日。「速攻」と言われた岸田総理の決断で、当初の想定から一気に前倒しされた衆院選は、解散から投票まで17日と、戦後最短の日程となりました。
2
(小泉進次郎元環境相)
「安定政権をつくる選挙」
(河野太郎元ワクチン担当相)
「支援を自公の連立政権に与えてほしい」

組織力を生かして議席の死守を目指す与党。
3
複数の選挙区で候補者を一本化し、議席の奪取を図る野党。
4
各陣営は、異例の短期決戦を全力疾走で駆け抜けました。
そして…

岡山では5つの小選挙区のうち4つで自民党の前職、残る1つでのちに自民党入りした保守系無所属の新人が議席を獲得し、「自民1強」が維持されました。
5
一方、香川では1区で立憲民主党が議席を獲得。2区でも国民民主党が議席を守り、小選挙区で野党の方が議席が多いのは、中四国で唯一となりました。
6
(新田俊介記者)
「前職の勝敗を改めて見ますと、こちら、岡山3区と香川1区で敗れています。実はこの2つの選挙区には、投票率に共通点があるんです」
7
今回の衆院選の投票率は岡山で50.94%、香川で56.09%で両県とも前回を上回りました。

これを選挙区ごとに見ると、最も上昇したのは岡山では3区で2.5ポイント、香川では1区で4.67ポイント。選挙結果に変化が生まれた所で投票率が大きく上がりました。
8
(香川大学法学部 堤英敬教授)
「選挙戦が盛り上がった。(上昇は)投票しないと結果が変わるかもしれないという(心の表れ) 。有権者の関心が高まっていたことを意味するし、その結果、政治に緊張感をもたらす」
9
一方、2021年は多くの新しい市長も誕生しました。岡山・香川で今年選挙戦となったのは8つの市長選。そのうち5つで前職以外が当選しました。
10
住民は政治に何を望んだのか。5月の市長選で3期務めた前職を新人が破った坂出市で聞きました。

(坂出市民は…)
「こういう時代だからかもしれないけど、良くなっていけばいいな。今までと同じじゃなく、変わることを求めた」
11
こちらは坂出市長選挙と、直近に行われた市議会議員選挙の年代別の投票率を比較したものです。

60代以上では差が小さい一方、40代以下の若い世代では市長選が大きく数字を伸ばしました。
12
(坂出市民は…)
「私の1票で何が変わるという意見もあると思うが、1票で変わってくれればいいと思う」
「新型コロナでどういう対策をしてくれるかが選挙への関心につながった」
13
そして、それは衆院選でも。18歳と19歳の投票率は、全国で4年前と比べ1.5ポイント上昇し、香川では6.95ポイント、岡山では0.56ポイント上昇しました。
14
(香川大学法学部 堤英敬教授)
「投票率向上に取り組む団体、若者自身がやっているようなものも含め出てきているし、主権者教育が定着してきている。とはいえ(投票率は)まだ半分、必ずしも高い数字とは言えない。今後も若い人の投票率向上に努力していかなければならない」
15
記載台に列をなす制服姿の高校生。12月10日、浅口市の金光学園高校で行われた岡山県選挙管理委員会の出前授業です。
16
この高校では毎年、選挙権を得る前の2年生を対象に行われています。2022年度からは、高校で主権者教育の充実などを目的とした新科目、「公共」が導入されるなど、若者の政治参加を目指した取り組みは、今、加速しています。

(生徒は…)
「あまり興味が無かったが これを機会に知ることができた」
「率先して投票に行けるようにしたい」
「自分の権利なのでしっかり行動して、若者の投票率を上げたい」
17
2022年は参院選や香川県知事選、そして岡山・香川6つの市で市長選挙が行われます。
19
コロナ禍が政治と暮らしのつながりを鮮明にした今こそ、「投票しても変わらない」、そんな意識と決別する時です。