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子どもたちに寄り添う居場所づくりを

2021.09.08

子どもたちに寄り添う居場所づくりを

発達に特性があったり、
学校に通うことが難しい子どもたちの居場所を提供する施設が
倉敷市真備町にあります。

横浜から移住した滝沢達史さんと貴祥さん兄弟が立ち上げ、
家族で運営しています。
元教師だった滝沢さん兄弟は、

子どもたちが自分でしっかり帆を張って船出できるようにとの願いを込め
「ホハル」と名付けました。

船出から3カ月後、「ホハル」は西日本豪雨の被害に遭いました。
施設は天井まで水につかり、子どもたちのおもちゃは泥だらけになりました。
滝沢さん兄弟は、子どもたちの居場所を早く取り戻したいと、
クラウドファンディングで改修費用を募り、
被災からわずか1カ月で施設を再開させたのです。

小学生から高校生まで、当時10人ほどだった子どもたちは100人に増え、
隣町の矢掛町には2つ目の「ホハル」が開設されました。
そこには、滝沢さんたちの念願だった〝避難所〟が設けられたのです。
テントや寝袋、水や食料が備えられ、約50人が避難できます。

3年前、ホハルに通う子どもたちの家族は、避難所に行くのをためらったと言います。
慣れない場所で、子どもたちがじっとしていられなかったり、
パニックになってしまうこともあるからです。

「ホハル」の避難所ならば、いつも顔を合わせる仲間たち。


大声を出しても理解してもらえます。2人の3年越しの思いは形になりました。
子どもたちに寄り添う滝沢さん兄弟は、子どもたちの居場所を守り続けていくのです。

執筆:竹下 美保
OHK岡山放送本社報道部所属。
被災地真備町の取材を続け、昨年ドキュメンタリー番組を制作
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