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分散型宿泊施設で街ごとホテルに!(2021/5/8放送 ビズワン!)

2021.05.08

分散型宿泊施設で街ごとホテルに!(2021/5/8放送 ビズワン!)

次世代を担うキーパーソンの働き方や考え方に迫る「ミライビト」のコーナー。
江戸時代に旧山陽道の宿場町として栄えた岡山県矢掛町で宿泊施設を営むのが今回のミライビト。宿泊施設を分散させた「町ごとホテル」で地域の活性化にもつなげます。

コロナ禍でも人気のホテル・・・秘密は?

和をモチーフにした高級感漂う客室。かつて、大名が宿泊したという宿を現代風にアレンジした施設です。

(篠田アナ)
「こちらは、ベッドが3つある。これには訳がある」
(安達精治社長)
「女子会用の部屋。女性はほとんどの方が奇数で動く。女性がゆっくり話を出来るように3つベッドを用意している これが、コロナ禍でファミリーでゆったりと使うというので人気がある」

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こう語るのが今回のミライビト。岡山県矢掛町などで15の宿泊施設を経営する「シャンテ」の安達精治社長(66)です。
(安達精治社長)
「町と一緒にホテルが生きる (地域と)両方ともが生きられるのが大事 地域を生かす。 儲かるためにやるのではなく つぶれず街を残すためにやる」
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旧山陽道の宿場町。矢掛町。安達さんが経営するホテルの一つがこちらの矢掛屋です。

(安達精治社長)
「玄関から奥に長い。まるで一つの街にいるような感じ。町の中に溶け込むように作っているのが特色」

安逹さんが手掛けているのは、分散型宿泊施設といって、宿泊や飲食などの施設が地域内に分散しているホテル。コンセプトは「町全体をホテルに」。食事やお風呂などは、地域の店を利用することで町全体を活性化させるのが狙いです。この分散型が他の客との接触を避けられると今、注目を集めているのです。
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(安達精治社長)
「(ホテル業界は)大変厳しい。一般的なホテルは客が密になる。分散型ホテルは今の時代、分散しているので人気が出ている」

矢掛町に本社を置く「シャンテ」。安達さんは、もともと銀行員でホテルへの融資や街づくりを担当していました。その後、独立し、ホテル経営のほか経営難に陥った全国のホテルの再生を請け負ってきました。
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(安達精治社長)
「ホテルの再生業は黒字にすればよい。しかし黒字にしても街が死んでしまえばまた赤字になる。その時は最悪な状態で街も死んでホテルも死ぬ。逆に街も死なないホテルも死なない運命共同体でやっていけるビジネスモデルとして確立できた」

ホテル経営を存続させるためには地域の活性化が不可欠。そう考える安達さんがホテルの再建で訪れた岡山で出会ったのが、矢掛町だったのです。

(安達精治社長)
「この町そのものが分泊できる団体客用の世界で一番古い宿である。そのこと生かして空き家をもう一度宿場町現代の宿泊施設に転換できないかと思った」

ルーツは江戸時代・・・かつての宿場町を再現したい

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参勤交代のあった江戸時代、町には約190の宿があり少人数が分散して宿泊していました。これに習い、安達さんも町全体に33部屋、約100人が泊まれる施設を点在させることにしたのです。
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新たに作る施設は、使われていない古民家の空き家。ここにもメリットがありました。

(安達精治社長)
「日本の伝統工法の典型で世の中に少なくなったもの。もう一度再現はできない。保存ではなく有効活用して世界に岡山を売っていくことが出来るのはこういう建物のお陰だ」
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安達さんの取り組みは、まちに新たなにぎわいを生み出しつつあります。訪れる観光客に対応しようと、地元の人たちも新たな店舗をオープンさせるなど観光ビジネスが盛んになっているのです。先月には安達さんが仕掛けた新しいタイプの道の駅もオープンしました。道の駅といっても、飲食や物販の機能はなく、あくまで町のエントランス。街にある商品を紹介するのが主な役目です。

そして、「まちごとホテル」は、さらなる広がりを見せています。

「町ごとホテル」は「島ごとホテル」へ・・・

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笠岡市の白石島。観光客が減少するこの島にある創業70年の宿泊施設の経営を引き継いだのです。

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(安達精治社長)
「古くて和室だけの部屋だった。海の方の窓側から出られるようにして、とにかくお客同士が会わない、波打ち際までが自分の部屋ですという感覚になるようにした」

これまで1人1泊2食7000円だった宿泊料金を約3倍の2万円に上げる代わりに、16室あった部屋を1日6部屋に限定し、プライベート空間を充実させたホテルに変えました。瀬戸内海を一望できる家族風呂、この宿ならではのぜい沢なひと時を演出します。オープンは今月すでに予約も入っているといいます。

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安達精治社長)
「しっかりとニーズにこたえて上げられたら お客は必ず払う。コロナ禍でも客は集められる」

今後は、島の空き家を活用して矢掛町と同じような「まちごとホテル」ならぬ「島ごとホテルを目指します。

コロナ禍で苦境に立たされているホテル業界や観光業界、そんな中、逆境をチャンスに変えようとしているミライビトの思いとは…

(安達精治社長)
「100年も200年も前からホテルは待っているビジネスだった。逆にコロナ禍は攻めだと思っている ホテルで出来ることでその街に役立つこと。新しい付加価値は何か 一つ一つの挑戦 その挑戦を地域の方に助けてもらいながら一緒に岡山の西側を一つの面にして展開していくのが私の使命」
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