OHK 8Ch

  • LINE友だち追加
画期的太陽光システムでチャンスを狙う!(2021/6/12放送)

2021.06.12

画期的太陽光システムでチャンスを狙う!(2021/6/12放送)

次世代を担うキーパーソンの働き方や考え方に迫る「ミライビト」のコーナー。岡山市のベンチャー企業が発電効率が通常の約2倍となる太陽光発電システムを開発しました。目指すのはアジア・アフリカなど発展途上国のエネルギー事情の向上。その挑戦を追いました。

発電量は通常の固定型の約2倍。効率よく太陽光を取り込むシステムとは

岡山市内の建物の屋上に今年4月、ある設備が設置されました。
(篠田吉夫アナウンサー))
「あっ。こちらですね。パラボラアンテナみたいですが、表面にパネルがついています。そして、わずかに動いています。」

7
これは、設置された場所の緯度・経度・高度・時刻の情報から太陽の位置を自動で計算し、向きを変える追尾型の太陽光発電システムです。

(篠田吉夫アナウンサー)
「午前9時半。東の空に太陽がありますが、固定式だと斜めに太陽光を受ける。しかし、ミライビトが開発した追尾型のシステムでは、パネルが動くので、常に太陽に垂直で朝日から夕陽まで効率よく光を取り込むことが出来る。
さらに裏側にもパネルが貼ってあり、余すところなく太陽光を取り込むことができます。」



その発電量は通常の固定型の約2倍。このシステムを開発したのが今回のミライビト。
岡山市のベンチャー企業、キャリースルーの西山和宏社長です。

9


(キャリースルー 西山和宏社長)
「ソーラーパネルというと今までは家庭用や売電用だったが、世界的にはエネルギーの確保が問題となっているアジアやアフリカなどインフラがまだまだ整っていない場所に役立つと思っている」


世界のエネルギー問題に貢献したいという壮大な夢を描くのが今回のミライビト。その挑戦は、岡山市のある一室で行われています。
2011年創業のキャリースルー。もともとシステムエンジニアとして工場の自動化などの設備設計を担当していた西山さんが独立し、設立。その時に注目したのが太陽光発電でした。

(キャリースルー 西山和宏社長)
「工場の自動化システムで一番大切なことは効率を高める事。効率を高める事を考えたときに自分たちで電気をつくるのが一番効率化につながるのではと思いそこにいたった。
それを進める上でエネルギーを効率よく作るのが一番重要だと考えて太陽光発電に至った」
10

その第1号のシステムとして手掛けたのが西山さんの自宅でした。

自宅に可動型のソーラーパネルを設置するも、思わぬ落とし穴が・・・

2階のベランダに存在感を放つ3段の太陽光パネル。自家発電によるスマートハウスを実現しようと12年前に設置したもので
現在も毎日稼働しています。その後、太陽光発電は、政府の定める固定買取制度により、高値で電力が売買され、家庭でも設置のニーズが高まりました。
ビジネスチャンスが到来したかに思えましたが、追尾型のパネルは、その波には乗れませんでした。

13
(篠田アナウンサー)
「立派な装置ですが、これはもともとあったベランダに設置をしたのですか?」

(キャリースルー 西山和宏社長)
「いえ、これを設置するために建ててもらった。回転するのに大きな面積の確保が必要になるので一般の家につけるのは難しかった。
買い取り制度の時にうまくビジネスチャンスに乗れなかったのは本当に悔しかった」

12
その後、買い取り価格が下がったため、家庭用のニーズは、減少傾向に…。それでも自分が手掛ける製品を完成させたいと開発を進める中で、ある出会いがあったのです。

(キャリースルー 西山和宏社長)
「アジア・アフリカは携帯電話などの通信網は発達しているが まだインフラは整っていない場所が非常に多い。そういったところでの活用をと声をかけて頂いたのでビジネスチャンスと思う。まだ電気がない所で便利な生活が出来るよう効率のよい発電システムがあれば小さな集落を賄うことができる」

そこで考えたのが発電システムの小型化。
サイズは従来の2分の1に収めながら、発電量は通常の約2倍に。(幅2.7、高さ2.5、奥行き1.2)
1時間に1、2キロワットアワー、一般家庭の1日の電力量の半分ほどを賄えます。また、重量も250キロと従来の5分の1なので設置後、移動させることもできるようになりました。同じサイズの固定型と追尾型を比較すると発電量はご覧のように。
16



(キャリースルー 西山和宏社長)
「小さな会社なので、工場を持っていない。そういった会社でも組み立て式キット化することでパーツを直接現地に運んでそこで組み立て設置すればやっていけるのでは」

ターゲットを途上国に向けたことでビジネスチャンスをつかみつつある西山社長。海外市場の規模の大きさに意気込む一方、さらにシステムの可能性を広げる出来事にも直面しました。

災害に直面し、新たな可能性を見出す

72018年に発生した西日本豪雨。知人が被災したため発生直後に被災地に入った西山社長。そこで、被災時にこのシステムが活用できるのではと思いつきました。

(キャリースルー 西山和宏社長)
「一番困ったのが水と電気。電気の確保が出来ていないと日常生活できないと痛感。被災地に設置出来れば。被災地で電気の確保が出来れば例えば公民館などに設置することで、災害発生時には地域住民に開放したり、避難所にシステムを移動させることができると
いいます。」


今後、こうした災害時の活用を視野に行政への売り込みも積極的に行っていきたいというミライビト、これからの太陽光発電をにかける思いは。

(キャリースルー 西山和宏社長)
「電気は人々の生活に欠かせないもの。このビジネスを追求してこれからも人々の生活に役立てたい」