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真備町で〝唯一〟となった動物病院の今

2021.05.19

真備町で〝唯一〟となった動物病院の今

倉敷市真備町の中心部にある「妹尾動物病院」。
2018年の西日本豪雨の後、町内で唯一となった動物病院です。

豪雨後、病院の前には携帯電話の番号が書かれた段ボールが立て掛けられていました。
その番号の持ち主は、院長の妹尾英明さん。
話を聞くと、「薬をください」「えさをください」と多くの飼い主から不安や困惑の声が届くので、
直接連絡できるよう自分の電話番号を公開したというのです。

病院の中は全て浸水し、診察できる状態ではありませんでしたが、
妹尾院長が大切そうに見せてくれたのは、浸かった水の中からすくい上げた大量のカルテでした。

これさえあれば、また診ることができる―。

先月、再び妹尾動物病院を訪ねました。建物は再建され、今は1日20 ~ 30件診察をして手術も再開しているといいます。
「難しい手術はうちではできないけど、地域の役に立てるよう続けたい」。
真備町のペットと飼い主の心のよりどころとして、豪雨を経験しても「病院を辞めようとは思わなかった」という妹尾さん。
携帯番号を公開し、飼い主の気持ちに寄り添い続けた日々。
そんな頼れる病院があるという日常が、今日も復興に向かう町に安心感をもたらしています。

執筆:戸田奈沙(OHK報道部)
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