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復興を〝粘り強く〟後押しする納豆

2020.04.10

復興を〝粘り強く〟後押しする納豆

西日本豪雨から1年7カ月経ったある日。
倉敷市内にある大学の研究室が、独特のにおいに包まれていました。
そのにおいの主は、

納豆です。

「この納豆が1つのブランドになれば、真備町の町おこしの活力になるんじゃないか」。

そう力を込めるのは、真備町の高齢者施設、ライフタウンまびの源幸淳司センター長。
この納豆、実は真備町特産のタケノコの皮から取れた納豆菌で作ったものなのです。

西日本豪雨からの復興を後押ししようと、
ライフタウンまび、倉敷市の企業・モトヤユナイテッド、そして倉敷芸術科学大学の大杉忠則准教授が連携し、
昨年の夏から試作を繰り返しています。
試作段階では北海道産の大豆を使っていましたが、将来的には同じ品種を真備町の畑で栽培し、
「100%真備町産」の納豆を作る予定なのだそう。
私が取材した1月下旬の段階で、粘り気や風味といった出来はすでに上々。
年内をめどに商品化される計画です。

実はこの取材の後、ライフタウンまびをはじめとする3社は、
昨年の台風19号で大きな被害を受けた茨城県水戸市に100万円を寄付していました。
納豆作りにあたって、納豆の本場・水戸市の笹沼五郎商店からたくさんのアドバイスを受けた縁があったからです。

被災地同士、お互いの復興にできることを協力する。
寄付をきっかけに、そう確かめ合ったそう。

納豆と、その納豆が繋いだ被災地同士の絆。

復興を「粘り強く」後押ししてくれるに違いありません。

執筆:矢野 匠(OHK報道部)
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