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香り高いコーヒーとあたたかな空間が復活

2020.01.24

香り高いコーヒーとあたたかな空間が復活

今年40周年を迎えるジャズ喫茶、「ごじとま」(倉敷市真備町)。
学生時代から京都の老舗コーヒー店で修行をしていた高本明英さんがいれるコーヒーは絶品です。

私が被災後初めて店を訪れたのは、2018年9月。
まだ店内に浸水の跡が生々しく残り、
高本さんは妻の由美子さんとともに、
2階まで浸水した店の復旧作業や営業再開に向けた補助金の申請など、
ごじとま復活に向け奔走していました。
その時、高本さんが

「こんなにコーヒーをたてていないのは18歳の時から初めて」

と言われていたのが印象に残っています。
常連客やボランティアの支えもありながら、2019年5月に店舗で営業再開。
再開に至るまで本人にしか分からない苦労や葛藤があったはずですが、
高本さんの表情も次第に明るくなったように感じました。
取材に訪れた私たちにも、いつも笑顔でコーヒーを振る舞ってくれました。
被害を知った全国のジャズファンから多くのレコードも寄せられています。
高本さん自身もみなし仮設住宅に暮らすなど、町の復興もまだ道半ば。
それでも手作りのスピーカーから流れるジャズと、
高本さんがいれるコーヒーは復興を目指す真備町に温かな時間を届けてくれています。

執筆:大山崇(OHK報道部)
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