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社会問題のDV…加害者更生プログラムとは…専門家に聞く【岡山・津山市】

2021.01.20

社会問題のDV…加害者更生プログラムとは…専門家に聞く【岡山・津山市】

コロナ禍で深刻化しているのがDV、ドメスティックバイオレンスです。その対策のひとつに加害者の更生に向けたプログラムがあるのをご存知でしょうか。具体的な取り組みを津山市で取材しました。

13万2355件。2020年度、全国のDVの相談件数は、2020年11月までで早くも過去最多に達していることが分かりました。新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の影響で、DVは深刻化しています。

(被害者の声)
「殺すぞと言われ怖かった」
「グーで殴られる」

1月16日、DVの被害者支援を考える講演会が、津山市で開かれました。市民や行政担当者、被害者を支援する人など約20人が参加しました。

(NOVO 伊田広行さん)
「あなたのやっていることはDVやと、だから変わりましょうという話をして進めて行く」

講師をつとめたのは、伊田広行さん。大学でジェンダー論を教えDVの予防教育に力を注ぐ傍ら、大阪で「加害者更生プログラム」を行っています。

(伊田広行さん)
「Q、加害者更生プログラムとは?」「DVした加害者が勉強して本当に自分を変える場」「効果があると思うのでもっと知ってほしい」

伊田さんの元には、妻や子供が家を出て途方にくれたり妻に促されたり・・・・、DVの加害者になった多くの男性が、毎週1回、2時間のプログラムに通っています。

(伊田広行さん)
「夫婦のもめた会話の典型的なのを作って、実話に基づいたもの、これについてどこがDVですかと考えてもらい、何で加害者がこういう言動をとったかを背景の考えまで考えてもらう。そこを変えないと怒りの感情がでるのでそこをどう変えたら怒らずに仲良くできるか、プラス、こんな対応とっていたら妻はどうなるかを考えてもらう」

グループで訓練を繰り返し、DVをしない考え方や感情のコントロールを身に着けていきます。プログラムを行っているのは、東京や大阪、広島など民間の団体で、全国でも数カ所しかありません。欧米では、DV加害者に義務付けられていますが、日本では、ようやく効果の検証が始まったばかりです。

(伊田広行さん)
「離婚もあるけど別居しながらちゃんと養育費もらう方法もある、同居しながらこういうプログラムもあるという選択肢を広げて考えてもらうようにしている」

DVの被害者支援が課題となる今、伊田さんはプログラムの必要性を訴えます。

「被害者にも加害者にも対応することが本当の被害者支援になるということを伝えたい、今の被害者支援ではまだ足りない」