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昭和57(1982)年の「ハムスター脱走事件」とは!?

2020.10.21

昭和57(1982)年の「ハムスター脱走事件」とは!?

アナウンサーの萩原渉です。昭和57(1982)年に発生した「ハムスター脱走事件」のことをご存知の方は少なくなってきているのではないでしょうか?風化が懸念されます。私が小学生の頃、近所に住む同じ登校班の上級生にハムスターを譲ってもらいましたが、その日の夜のうちに我が家から脱走してしまった事件です。

『なんしょん?ペット』のコーナーに寄せられたハムスターの写真で思い出した、少年時代の「事件」・・・

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「にじ」さんが『なんしょん?ペット』の
コーナーに投稿して下さったハムスターの
写真がかわいい。


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今から38年前、小学1年生の時に
近所のお兄ちゃんからハムスターを
譲り受けたことを思い出した。

放課後に我が家にやって来た彼は
両手で包み込むようにして持っていた
茶色い毛のハムスターをそっと差し出し、
私と母に見せてくれた。
飼っている何匹かのうちの1匹を
譲ってくれると言う。
真っ黒でクリクリした瞳がかわいらしく、
ペットを飼ってみたいと思っていたので、
とてもとてもとても嬉しかった。

母が「ブローチにしたらカワイイ」と言い、
幼心に「なんと不謹慎なことを言う人だ」と
感じたことを覚えている。

今なら決して逃がしたりはしないが・・・

当時の我が家には、
ハムスターを飼育するためのカゴが無かった。

今ならちょっと車で近所のペットショップか
ホームセンターに出掛けて買ってくるのだが、
38年前の実家周辺にそんな店は無かったし、
母は車の免許を持っていなかったし、
父に仕事帰りに買ってくるよう伝えるための
携帯電話も無い時代だった。


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家中探して見つけた代用品が段ボール箱。
次の休日にカゴを買うまで、
そこで我慢してもらうことにした。




が。
次の日の朝、段ボール箱をのぞいたら
そこにハムスターの姿はなかった。
段ボール箱の隅に穴が開いていた。
私はそこから脱走したものと見て
詳しく調べを進めてみたが、
そうとしか結論付けられない。

ハムスターは強靭な歯と爪で
一晩中カリカリカリカリと
看守の目を盗みながら逃げ道を作った。
娑婆で自由になることを夢見て。
そして、おそらく楽々と脱獄に成功した。



あああ。
せっかく譲ってもらったのに。
その日のうちに逃がしてしまうなんて。
かわいかったのに。
譲ってくれたお兄ちゃんに申し訳ない、
せめて野良猫に捕まってなきゃいいが・・・。

と、失意のうちに朝食を食べていたら
母が「きのうハムスターが逃げ出して
うちの廊下を走っている夢を見た」
と言い出す。
正夢になったんだ・・・と思っていたら、
母は、


人間くらいの大きさで
 
走っていた
 


と、ディテールについて報告。
幼心に「なんと不気味なことを言う人だ」と
感じたことを覚えている。




それ以来、
毛の生えた生き物を飼ったことはない。



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遠い昔のことを思い出して感極まり、
涙でハムスターの絵を描いたら、
今にも動き出しそうだ。





(「涙で」だけが嘘)。