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夏の風物詩にも影響…苦境の特産品「丸亀うちわ」の危機を救え!【香川・丸亀市】

2020.07.02

夏の風物詩にも影響…苦境の特産品「丸亀うちわ」の危機を救え!【香川・丸亀市】

その新型コロナウイルスの影響は、夏の風物詩にも及んでいます。丸亀市特産の「丸亀うちわ」、本来ならば今が生産のピークですが2020年は売上が激減し、苦境に立たされています。

祭りや盆踊りなど夏のイベントに欠かせないうちわ。丸亀市は全国シェアの9割以上を占めるうちわの産地。「丸亀うちわ」の名称で多くの人に親しまれています。
しかし、今、この「丸亀うちわ」が苦境に立たされています。

(報告 小野修司記者)
「例年この時期は丸亀うちわの生産がピークを迎え工場のラインもフル稼働しているが、きょう(2日)は1台しか動いていない。」

2020年は、祭やイベントが軒並み中止になったのに加え企業の経営状況が悪化しPR用のうちわの発注が無くなるなど注文が激減しているのです。工場では年間で出荷する約800万本のほぼすべてを4月から7月の間に生産します。

しかし2020年は、まだ約300万本しか生産できていません。年間を通しての売上は半減する見込みです。毎年この時期には30人ほど雇っていたアルバイトも2020年は募集しませんでした。

(塩屋団扇商工業協同組合 濱本哲郎理事)
「コロナの感染が始まってから今年(2020年)は危なくなるだろうなと予想はしていたが、現実として厳しい状態を突き付けられている。」

市内約30のうちわ業者で作る団体によりますと5月までの売上は、全体で例年の約1割まで減ったといいます。こうした状況を受け行政が支援に乗り出しました。

丸亀市は地域の特産品を守ろうと約370万円の予算を組み団体に7万本のうちわを発注し、市内の学校などに無料で提供します。

(塩屋団扇商工業協同組合 濱本哲郎理事)
「オリンピックが延期になり来年(2021年)行われるようなので(状況の改善に)期待しつつ市にうちわを使ってもらえるようになったので広告媒体ではなく3密を避ける換気の際に使うアイテムとしてうちわの良さが広まれば」

約400年の歴史を誇る丸亀うちわに訪れた危機。官民が一体となって乗り越えようとしています。