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ビズワン!「ミライビト」 4月25日放送
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ビズワン!「ミライビト」 4月25日放送


次世代を担うキーパーソンの働き方や考え方に迫る「ミライビト」。
初回は岡山特産のデニムに新たな視点から付加価値をつけようと奔走する男性を追いました。

環境に配慮した取り組みがビジネス拡大のチャンスに

2019年12月、岡山城で開かれたファッションショー。モデルの冨永愛さんなどが出演し、岡山特産のデニムをPRしました。
世界を舞台に活躍する冨永さんは、ショーのあと、デニム産業の未来について次のように話しました。

(冨永愛さん)
「私はSDGSアンバサダーをやっているが、エシカルやサステイナブルという方面で日本一、世界一になるというのも一つのアイデア」

倫理的という意味の「エシカル」や持続可能を意味す「サステイナブル」は、「環境への配慮」に関して使われる言葉で、冨永さんが示したのは価格やデザインだけではない新たなデニムの可能性でした。

国産ジーンズ発祥の地倉敷市児島地区。ここにジーンズ加工の現場から新たなデニムの可能性を模索する男性がいます。
未来人①
(小谷和弘さん)
「環境の事を考えたもの作りをやっていかないと他には勝てないと感じています」

こう話すのが、今回の「ミライビト」小谷和弘さん(35)です。縫い上がったジーンズののりを落としたり色合いを薄くする「洗い加工」。ジーンズづくりには欠かせない工程です。
この分野で国内一のシェアを誇るのが倉敷市の「豊和」。創業は1965年、エドウィンやビッグジョンなど国産ブランドジーンズの加工を月に15万本から20万本手がけています。

未来人③
篠田吉央キャスター)
「こちらにずらりと並んでいる石。実は軽石なんです。この軽石とデニムを一緒に洗うことで風合いを出すのですが、この技術も豊和が生み出したものです」

自然な色落ちを実現した「ストーンウォッシュ」は世界のスタンダードに。このほかにも、はきジワを作り出すヒゲ加工の特許を取得するなどアイデアと技術力の高さで業界のトップを走り続けています。
小谷さんは高校卒業後、豊和に入社し洗い一筋17年、30代半ばにして洗いの現場のリーダーを任されています。

(小谷和弘さん)
「新品だと濃い状態で何もない状態だが加工を加えていくことによって同じデニムでも表情が変わって行くのが一番の魅力」

小谷さんは、「洗い」で最も気を使うのは水の温度だと言います。1本のジーンズを仕上げるために必要な洗いの回数は約20回。その都度、水の温度を20℃から90℃の間で変えていきます。同時に洗濯機に入れる100本をすべて同じ色合いに仕上げるためですがその温度調整はすべて職人の経験と勘に任されています。

(小谷和弘さん)
「(最初は)ただ洗えばいいという感覚だったが実際に色を調整したり落として、自分で時間を決めていくというところまで落とし込んでいった時に加工の奥深さを痛感」


洗いの奥深さを知り技術を磨いてきた小谷さん、今では多くの後輩にその技を伝えています。

世界に誇る岡山のジーンズその現状は?

岡山が全国に誇るジーンズですが、近年、厳しい状況が続いています。若者のジーンズ離れなどを背景に、ブルージーンズの生産量は2005年以降急激に減少し、2009年にはピーク時の約6割にまで減りました。国内での売上が頭打ちになる中、各メーカーでは海外への販路拡大を目指し、その戦略を模索しています。

この日、小谷さんの姿は地元メーカーとの商品開発の会議の場に。加工現場の小谷さんがなぜこの会議に参加しているかというと
実は「洗い」の工程が海外進出へのカギを握っているからです。

ドミンゴ デザイン課 樋口尚美さん)
「昔は形で売れたり加工で売れたりはあったが、今は細分化されすぎていてこれを作れば売れる時代ではない。プラスそれの流れで今、エコだったりサステイナブルなものがいい風潮になってきている。海外ではそれないとダメ売れないし」

環境への配慮。それはまさに、デニムの可能性について富永さんが指摘した点でした。今、ヨーロッパを中心に生産過程など商品の背景にも注目する動きが高まっていてH&Mやナイキなど世界的な企業も環境に配慮した商品に力を入れ始めています。

そんな中、「洗い」に関するある取り組みが海外での大きなビジネスにつながろうとしています。


未来人④
デニムを洗い終えたばかりの排水です。染料や塩素系の脱色剤のほか、洗いに使った石などが含まれ「豊和」ではこうした排水が1日に40万リットルでるといいます。環境汚染にもつながるこの排水について、「豊和」では22年前から国の基準より厳しい
自社基準を設けきれいにする取り組みを行ってきました。

(篠田吉央キャスター)
「巨大な水槽が並んでいますがこちらはどのような工程なんですか?」
(小谷和弘さん)
「ろ過した水がこちらに来てさらに細かい塊にして、こちらで泡状にして泡と一緒に汚れを落としていく」
(篠田吉央キャスター)
「水の中に溶け込んでいる汚れが、こんなにもあるんですね」

そしてすべての工程を終えると…

(篠田吉央キャスター)
「当初の水の青さというのはないですね。透明度も上がっていますね。これが川に流れる」

汚れた水を海に戻さない。
環境に配慮して始めた取り組みが海外への販路拡大に向けた大きな武器となったのです。豊和ではこのチャンスを逃さまいと海外向けにPR動画を作成、もちろん小谷さんも出演しています。
未来人②

今後、商品の値札などに動画のQRコードを付け海外の消費者に直接、訴えることにしています。

(田代雄久社長)
「洗い屋は基本メーカーの下請けでいつも日陰の身で表舞台には立たない立ってはいけない業種でやってきたが、ここ数年仕事が激減していく中で工場をアピールすることによって仕事を頂くことをやっていかないとこれからは生き残れない」

「洗い」の工程から生まれた大きなビジネスチャンス!現場からけん引するミライビトの思いは?

(小谷和弘さん)
「期待に応えてやっていく自信はありますね。もっともっとできることがないか会社全体で考えていきたい」


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