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2022.06.08

昭和レトロバス“延命支援ツアー” 全国からファン続々 次も予約で満席 修繕費用の寄付も【岡山】

ツアー客の目的は30年以上前に製造され、今も岡山県の北西部を現役で走るレトロな路線バスです。大手旅行会社がその存続を支援するツアー商品を企画し、全国からファンが訪れています。

大勢の人がカメラを向ける先に現れたのは…昭和の雰囲気が漂う路線バスです。

(東京からの参加者)
「面白い、迫力がある。懐かしい」

行き先を告げる今では珍しい方向幕に木製の床。1987年に製造された「富士重工6E型」です。高梁市の備北バスが所有し、現在も稼働している現役の車両です。

(東京からの参加者)
「今の時代にないデザイン。古い車を大事に使っていてワクワクする」

すでに製造は終了していますが、老朽化が進み、修理が必要となっています。大手旅行会社の日本旅行が、バスを支援する大阪発のツアーを企画し、6月6日、全国から25人が参加しました。

(日本旅行 山中章雄課長)
「なかなか部品もなくて、どこも(古いバスの)維持に苦労しているので、旅行会社の立場でも助けになりたい」

ピークだった昭和40年代には、年間700万人以上が利用していた備北バス。しかし、沿線の過疎化やマイカーの普及などでバスの利用者は減少、さらに新型コロナが追い打ちをかけ、2021年度は約60万人に落ち込みました。

しかし、バス会社は地域の足を残すため、少しでも車両の寿命を延ばそうと、2022年4月からクラウドファンディングで修理費用を集め、目標金額400万円を大きく上回る約650万円が集まりました。

ツアーでは、修繕費用を1人1000円以上寄付することが求められていて、この日は2万5000円が集まりました。

(千葉からの参加者)
「全国でも残り数台で、部品が無くなったら走れなくなる。少しでも寄付して、長く走ってほしい」

(備北バス 政森毅社長)
「ありがたい。言葉になりません。コロナ禍で経営もかなり厳しい。募金を使わせてもらって、1年でも長く運行したい」

全国から熱い支援を受け、命をつなぐ昭和のバス。このツアーは10日も行われますが、すでに予約で満席ということです。