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2022.01.31

後継者は“元写真家” 倉敷美観地区の老舗民芸店…新たなスタート 店主から託された思いとは【岡山】

倉敷市の美観地区で長年愛された老舗民芸店の女性店主が2021年暮れに高齢のため引退しました。店を引き継ぐのは元写真家の男性。2月の再オープンに向けた思いを取材しました。

1971年創業の「融民芸店」。倉敷市美観地区で約半世紀にわたり陶器などの民芸品を販売してきました。

店主の小林融子さん(78)は、高齢のため2021年末に引退し、後継者に選ばれたのは元写真家の山本尚意さんです。

(新店主 山本尚意さん)
「ただものを売るのではなくちゃんと使ってくれる人と作る人を繋ぐということを長く続けてこられた方。お客さんを見ていてもそれは感じる信頼してお客さんが来る。」

(前の店主 小林融子さん)
「お客さんがどう感じるかが1番。本当に口当たりがよければまた使ってみようという気持ちになる。」

小林さんは創業以来、日常で使える美しい物を家庭へ届けたいと全国各地、時には海外の作り手の元に直接、足を運び仕入れてきました。

商品の企画展などを通じて、民芸界を支える活動にも長年取り組んだことが評価され、2012年には小林さんと店が倉敷民藝館賞を受賞しています。

(小林融子さん)
「(山本さんには)使い手の気持ちになってやってもらいたい、使い手とちゃんと話し合えるような店にしてもらいたい。」

山本さんは、写真家のキャリアを生かしオンラインでの販売も始め、ここを拠点に民芸の魅力を発信したいと意気込んでいます。

(山本尚意さん)
「この店は配り手・作り手・使い手この3つを大事にしている。その中から欲しいという人だけでなく、作りたいと思う人が出てくるそんな店にしていきたい。」

商品だけでなく作り手たちの思いも伝えてきた「融民芸店」の再オープンは2月5日。老舗民芸店の新たな出発に注目です。