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2022.01.27

“木おけ”を世界へ 老舗しょう油蔵の挑戦 島の醸造技術に欠かせない「木おけ」の力…【香川・小豆島町】

香川県小豆島の老舗のしょう油蔵では、伝統的なしょう油造りに欠かせない木のおけを作るイベントが行われました。

島のしょう油造りは、2021年、国の無形民俗文化財に登録され、関心が高まっています。

スギの板を合わせて、タケで作ったたがを取り付けます。高さ2メートルほどの大きなおけです。

しょう油の産地小豆島で、約150年の歴史を持つ「ヤマロク醤油」では、空気が乾燥するこの時期に、醸造に使う木のおけを作ります。

おけの中に自然に宿る微生物の発酵の力で、昔ながらの味わい深いしょう油ができるのです。

10年程前まで、職人の減少で途絶えかけたおけの技術を、このしょう油蔵が継承しました。

そして2021年、島の醸造の技術は、全国で初めて国の無形民俗文化財として登録されました。

2022年は県の内外からしょう油蔵などが集まり、技術を学んで木おけを使った醸造を取り入れようとしています。

(小豆島のしょう油蔵)
「先人から島で受け継いだ木おけ作りを将来に向けて伝える気持ちに賛同した。」

(福岡県のしょう油蔵)
「実際(技術が)復活しているのを見ると日本の文化が守られたと思う。」

木おけのオークションも行われたほか、海外のバイヤーも木おけに興味を持ち、オンラインで商談会が開かれました。反響の大きさに「ヤマロク醤油」では夢を膨らませています。

(ヤマロク醤油 山本康夫社長)
「小豆島をワインで言う(フランスの)ボルドーやブルゴーニュのような産地にしながら(将来的に)世界中の食に興味がある人、インバウンドが来るところまで持っていきたい。」