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2022.01.26

岡山駅への路面電車乗り入れ 市のミスで大幅遅れ 事業費も1.5倍に【岡山・岡山市】

2022年度に完成する予定だったJR岡山駅への路面電車の乗り入れ事業について、完成が2025年度まで遅れることが分かりました。

事業費も1.5倍に膨らむ見通しです。

JR岡山駅前を起点に発着していた路面電車の軌道を約100メートル延伸し、岡山駅の東口広場に新たな電停をつくる計画の乗り入れ事業。総事業費は約43億円で、2022年度に完成する予定でした。

しかし…

(岡山市 大森雅夫市長)
「建築基準法の解釈に、市側のミスがあったということで、事業費が倍増し、スケジュールも2025年度ということで、大幅に遅れる」

軌道を敷くために地下の岡山一番街を補強する工事について、市は、対象エリアを封鎖して1年程度で一気に工事する予定でしたが、火災などの際の逃げ道を確保しなければならない建築基準法に違反するおそれがあることが発覚したため、少しずつ工事を進めることになり、工期が10カ月延びました。

工事に伴い、休業補償する店の数が9から20に増えたほか、当初は想定していなかった軌道の分岐器の新設といった費用が重なり、43億円の事業費が約86億円に倍増しました。

これを受けて、市は、駅舎前のひさしや案内所の建設などを取りやめ、事業費を66億円まで削減した上で、国の交付金の有効活用で、市の負担の増加を2億円に抑える新しい計画を作りました。

完成は2025年度中頃まで遅れる見通しです。

(利用者は…)
「(2025年度完成は)ちょっと長い。早い方が本当は良い。岡山ですから」

(岡山市 大森雅夫市長)
「市民のみなさんに深くおわび申し上げたい。市民のみなさんの利便性向上、特に高齢者、障害者のみなさんには非常に便利で、岡山を初めて訪れる人にも必要不可欠」

岡山市の新年度当初予算の要求額には、新しい計画に基づく工事費、約6億8000万円が盛り込まれていて、当初の計画通り行われるタクシーと一般車のエリアを入れ替える工事に着手する予定です。

(早川祐貴記者)
「完成が大幅に遅れることになったJR岡山駅への路面電車の乗り入れ。利便性向上もさることながら、岡山の玄関口、顔ともいえる部分の工事だけに、今後の進捗状況を注視する必要がありそうです」