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人間国宝・中村吉右衛門さん 歌舞伎“ゆかりの地”琴平から惜しむ声絶えず【香川・琴平町】

2021.12.03

人間国宝・中村吉右衛門さん 歌舞伎“ゆかりの地”琴平から惜しむ声絶えず【香川・琴平町】

11月28日に亡くなった歌舞伎の人間国宝、中村吉右衛門さんは、讃岐の春の風物詩、四国こんぴら歌舞伎大芝居の生みの親の1人です。

お膝元の香川県琴平町では、歌舞伎に情熱を注いだ中村さんとの別れを惜しむ声が上がっています。

(中野うどん学校 中野吉貫会長)
「吉右衛門さんの人柄はジェントルマン。紳士的だった」
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真摯な人柄で親しまれてきた中村吉右衛門さん。香川県琴平町との出会いは、今から36年前のことでした。

(当時の会見映像 中村吉右衛門さん)
「我々まだ若手ですが、熱意だけは大幹部に負けないつもり」

1985年ー。中村さんは、現存する日本最古の芝居小屋「金丸座」で公演する四国こんぴら歌舞伎大芝居の立ち上げに尽力。第1回公演を皮切りに過去5回出演し、その全てで座頭を務めるなど、看板俳優としても活躍してきました。
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(琴平町 片岡英樹町長)
「とても真面目で、歌舞伎に対して真摯に取り組む姿にさすが吉右衛門さんだなと感じていた。(こんぴら歌舞伎は)吉右衛門さんがいなかったら実現していない。本当に感謝している」
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中村さんとの別れを惜しむ声は、まちの人からも…。
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(まちの人は…)
「お練りの時に店の前を通ってくれた。まだ77歳なのでショック」
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「まだまだこれから活躍してもらえたらと思っていた。本当に残念」
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第1回公演に商工会の青年部として協力し、裏方を務めた地元の観光施設、中野うどん学校の中野吉貫会長は、中村さんから歌舞伎のいろはをたくさん教わったそうです。
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(中野うどん学校 中野吉貫会長)
「屋号、○○屋などの掛け声を教えてもらった。リハーサルでやって、本番の公演でも後ろの方から掛けてくれと頼まれる。タイミングを外したら笑われるので難しかった」

新型コロナの影響で、公演は2020年から開催できていませんが、中野会長は、しっかり後世につなげていきたいと話します。

(中野うどん学校 中野吉貫会長)
「これほどのロングランになると思っていなかった。吉右衛門さんが亡くなって残念だが、四国こんぴら歌舞伎が、今後、50年、100年と続くイベントにしていけたら」
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四国こんぴら歌舞伎の発展を支えてきた中村吉右衛門さん。まちの人たちは中村さんの思いをこれからも受け継ぎます。