温泉郷がアートで溢れます。街並みを生かして多彩なアート作品を展示する芸術祭が、岡山県鏡野町で開かれています。２０２１年の見どころを取材しました。

（森夏美アナウンサー）
「美人の湯として知られる奥津温泉。緑豊かな自然の中で色とりどりの手ぬぐいアートが風に揺れてとても綺麗です。いつもとはまるで違った景色に嬉しくなります。」

地域の活性化につなげようと、既存の施設などを活用して町中をアートで彩る「ＯＫＵＴＳＵ芸術祭」。

２０２１年で３回目を迎え、奥津温泉郷など町内約３０ヵ所に地元ゆかりのアーティストや美術を学ぶ学生などの作品、約５００点が展示されています。

展示会場のひとつ「道の駅奥津温泉」では、地元の小学生などが描いた手ぬぐいアート約４００枚が広場や回廊に飾られ、訪れた人を楽しませます。

（訪れた人は…）
「かわいい。びっくりした。」
「かわいいなと思った。見ていて愛着がわく感じ。」

一方、こちらは…

（森夏美アナウンサー）
「今回初公開！奥津の老舗旅館奥津荘のカフェ兼ギャラリー『サミュート』です。築約１００年の古民家をリノベーションしていて、和の空間に作品が溶け込んでいます。」

古民家ならではの趣ある佇まいと１７点の版画作品が織りなす和風でモダンな空間は、時の流れを忘れさせます。

岡山を拠点に活動する銅版画家、佐藤真奈美さんの作品は、人と植物の融合がテーマで、色の濃淡から版画独特の重みを感じることができます。

（銅版画家　佐藤真奈美さん）
「作品とマッチしているなと驚いて発見があった。地元の方々に親しんでもらっていろんな各地の方々にも発信できれば。」

そのほか「かがみの近代美術館」では、若くしてこの世を去った画家の作品をはじめ彫刻やイラスト画などが展示され、周囲の自然風景とともにここにしかない芸術を楽しめます。

（ＯＫＵＴＳＵ芸術祭総合ディレクター　辻本高廣さん）
「何も期待せずに道の駅に来てもらえるとハッとなるそんな効果があると思う。自然あるいは温泉などと一緒に静かな時間をゆっくり過ごしてほしい。」

アートを通じて地元の魅力を再発見できるＯＫＵＴＳＵ芸術祭は、岡山県鏡野町の観光施設や旅館などで１１月２１日まで開かれています。