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9月9日「重陽の節句」…別名“クリの節句” 新たな名産にと期待「岡山甘栗」 魅力は…【岡山・勝央町】

2021.09.09

9月9日「重陽の節句」…別名“クリの節句” 新たな名産にと期待「岡山甘栗」 魅力は…【岡山・勝央町】

9月9日は五節句の一つ、「重陽の節句」です。クリを使ったご馳走を食べて無病息災などを祈る風習から別名「クリの節句」とも呼ばれています。

そのクリを岡山の新たな名産にしようと、奮闘する夫婦が勝央町にいます。その思いを取材しました。

(森夏美アナウンサー)
「立派なクリがなっています。奥には一面クリ畑が広がっていますよ。」

岡山県勝央町で約10年前からクリを栽培している阿黒尋子さんとご主人の秀二さん。

2人が丹精込めて育てているのが、勝央町の県森林研究所で生まれ2008年に品種登録されたその名も「岡山甘栗」です。

(森夏美アナウンサー)
「岡山甘栗の特長は?」

(阿黒尋子さん)
「いがの長さが短くて密集しているので虫が中に卵を産みにくい。収穫の時になると口が開いてクリの実だけが(地面に)落ちてくるのでそのクリだけ拾えばいい。」

(森夏美アナウンサー)
「収穫も手間もそれほどかからない。」

渋皮がつるっとはがれる食べやすさや小ぶりで甘みが強いことから、クリご飯にもってこいの岡山甘栗。

2020年収穫したものを特別にいただきました。

(森夏美アナウンサー)
「岡山甘栗を使った栗おにぎり、いただきます。甘い。小粒な分ごはんとのなじみが良くてホクホクした食感がとってもおいしいです。」

農業は、全くの未経験だったという尋子さん。栽培を始めた大きなきっかけは、ご主人の実家のナシ農園が高齢を理由に廃業し、畑が耕作放棄地になっていたことでした。

「手入れも収穫も簡単」という岡山甘栗の魅力に心が動き一念発起、32年間勤めた会社を辞めクリ農家になると決めたのです。

最初は、200本ほどだったクリの木も地元農家の協力もあり10年で約800本に。ここ2年でようやく収穫が安定するようになりました。

(阿黒秀二さん)
「その年によって出来が変わるのでしっかり観察しながらやっている。」

(阿黒尋子さん)
「地域の子供たちやクリ拾いをしたことがない人たちにクリを拾いに来てもらって、岡山甘栗のおいしさを味わってもらう。岡山県のクリはまだまだ全国と比べてすごく少ない栽培面積なので、岡山甘栗を少しずつ広めて少しでも多くのクリを使ってもらいたい。」

岡山の新たな名産になってほしいという阿黒さんの思いが詰まった岡山甘栗は9月いっぱい収穫が行われ、生栗は1キロ800円ほどで販売されるということです。