OHK 8Ch

  • LINE友だち追加
西日本豪雨3年 27歳の娘と5歳の孫 86歳の祖父と84歳の祖母を亡くした遺族は…【岡山】

2021.07.06

西日本豪雨3年 27歳の娘と5歳の孫 86歳の祖父と84歳の祖母を亡くした遺族は…【岡山】

西日本豪雨は多くの尊い命も奪いました。

27歳の娘と5歳の孫を亡くした遺族。そして、86歳の祖父と84歳の祖母を亡くした遺族が、3年が経過した今の思いを語りました。

3年前、豪雨で大切な娘と孫を失った三宅常男さんです。

遺族として倉敷市の追悼式に参列しました。

(三宅常男さん)
「この日がくると毎年1年たったと思う…」

知的障害のある当時27歳の娘、遥さんと、当時5歳の孫、愛ちゃん。

2人暮らしで、近所では、仲良し親子として知られていました。

(運動会の様子)
遥さんの愛情を受け元気いっぱいだった愛ちゃん。

(お遊戯会の様子)
2人が住んでいた倉敷市真備町有井の自宅。

西日本豪雨の後、遥さんと愛ちゃんは、水が引いた泥だらけの家の中で亡くなっているのが見つかりました。

(三宅常男さん)
「子供を守るために(遥さんが)抱えていた。(愛ちゃんを?)うん、守るために」

3年前の7月6日の夜、三宅さんは、堤防が決壊する前に2人の家を訪れ、様子を見てから自宅に帰ったと言います。

(三宅常男さん)
「あのときに連れて帰れば良かった。堤防がドンといって崩れた時にもう間に合わんかった」

6月、三宅さんの姿は岡山市内にありました。

豪雨の甚大な被害は、河川の管理が不十分だったなどとして、他の地域住民らと一緒に国と岡山県、倉敷市に損害賠償を求める裁判を岡山地方裁判所に起こしたのです。

(三宅常男さん)
「子供が亡くなって3年経ってもなかなか。まあ、どうにか自分で立ち直らないけんなと思いよんやけど、難しい。」

「自宅の外観:倉敷市真備町辻田:2018年7月」

茶色く濁った水が押し寄せ、泥だらけになった台所。ここで、西原俊信さんと妻の明子さんの遺体が見つかりました。

最初に2人を見つけたのは、玉野市から駆け付けた孫の征輝さんでした。

(西原征輝さん)
「ちょうどここに頭が。おじいさんが寝ていて、おばあさんが横に、こういう風に倒れないように抱いて…。おじいさんの事をちゃんと最後まで見ててくれたんだと思います」

あれから3年。征輝さんは、出張先の千葉県から今の思いを話してくれました。

(西原征輝さん)
「普通に元気に生きてて良かったなという死に方で生涯を終えてほしかった」

(岸下恵介アナウンサー)
「3年を迎えますけれども、今どんな心境ですか?」

(西原征輝さん)
「3年も経ったのかな?実感がちょっとまだ湧かない」

西日本豪雨から3年…今も、心の整理はつきません。

(西原征輝さん)
「後悔はありますよね、少しでも様子を伺いに行けばよかったと悔いが残っていますね。願いは、死者を出さないこと。自分らがそういう風にして亡くしてしまったので、やっぱりそういう目にあわないためにも、対策をしてもらいたい。危ないと思ったら避難するとか基本的な事をした方が良い」